韓国時代劇のススメ。朝鮮時代を舞台にした、入門にぴったりな必見ドラマ5選

2025年07月31日 作品情報 #李ハナ
このエントリーをはてなブックマークに追加

約500年も続いた朝鮮王朝時代(1392~1910)を舞台にした韓国ドラマは、宮廷の権力争いや身分制度に翻弄される登場人物たちの姿を通じて、現代を生きる私たちにも教訓を提示してくれる。

【究極ランキング】韓国時代劇で主役となった頭脳明晰な世子「ベスト4」

一応興味はあるけれど、どれから観ればいいのかわからない…。そんな人にこそ勧めたい、時代劇初心者でもスッと入り込める5本を厳選してみた。

重すぎず軽すぎず、絶妙なバランスで描かれる恋や葛藤に引き込まれ、編集部のスタッフも思わず2回以上リピートした作品ばかり。

面白さはもちろん、セリフの一つひとつや登場人物の選択が深く刺さる、心からおすすめできる“必見作品”を紹介する。

『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』(U-NEXT)

朝鮮時代には、大きく分けて「ヤンバン(両班/貴族階級)」と「ノビ(奴婢/奴隷階級)」という、対照的な身分制度が存在していた(正確には「良人」と「賤人」と分けられ、両班は良人の最上階級、奴婢は賤人の最上階級を指す)。

多くの時代劇では、国王やヤンバンを主人公に据えることが一般的だが、この『オク氏夫人伝』は、ノビでありながらも聡明で芯の強い女性・クドクの波瀾万丈な人生を描いた異色作である。
『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』で強烈な印象を残したイム・ジヨンの心揺さぶる演技が高く評価されたのはもちろん、男性主人公を演じたチュ・ヨンウが本作で大ブレイクを果たしたことでも話題に。韓国時代劇史において“最高傑作”との呼び声も高い、見逃せない作品だ。

(画像=JTBC)

主演:イム・ジヨン、チュ・ヨンウ、キム・ジェウォン、ヨンウ
あらすじ:心ない主人に仕え、主人の娘に代わって読書や刺繍をこなしてきた奴婢・クドク。ここから逃げだすことを夢見ていた彼女の運命は、両班、ソン・ソインとの出会いによって大きく動きだす。ある事件から、クドクは両班のオク・テヨンとして生きることになり…。

『赤い袖先』(U-NEXT ほか)

朝鮮王朝史上でも屈指の波瀾万丈な運命を生きた名君・正祖(イ・サン)。かつての名作『イ・サン』でも広く知られるこの王と、宮女から後に宜嬪成氏となるソン・ドギムとの切なくも美しいロマンスを、新たなキャストで描き出したのが超大作『赤い袖先』だ。

本作が高く評価される理由の一つは、正祖の強い想いに何度も揺れながらも、「自分を失いたくない」という信念から距離を保ち続けるドギムの葛藤にある。女性の自立が重視される現代において、その新しい解釈は多くの示唆を与えてくれる。

2PMのジュノとイ・セヨンによる息の合った演技、そしてこの作品で最優秀賞を総なめにしたチョン・ジイン監督の緻密な演出。さらに、王朝の華やかさと情感を極上の映像美で描ききったそのセンスの高さは、空前のヒットとなった理由を物語っている。

(画像=MBC)

主演:ジュノ、イ・セヨン、カン・フン
あらすじ:没落した一族の娘、ソン・ドギムは、見習い宮女として宮廷に仕えていた。一方、国王・英祖の孫で世孫のイ・サンは、祖父により父を死に追いやられ、宮廷で孤独に暮らしていた。サンはある出来事をきっかけに、ドギムにほのかな想いを寄せるようになるが…。

『恋慕』(Netflix)

もし、“男装女子”という秘密を抱えた悲運の王がいたとしたら――彼女の人生は、果たしてどのようなものだったのか。

そんな想像から始まる本作は、2022年に韓国ドラマとして初めて国際エミー賞を受賞した、記念すべき作品である。

朝鮮時代特有の男尊女卑の空気や、王座をめぐる宮中の権力闘争、そして身分を超えたロマンスが絶妙に絡み合い、深い余韻を残す。少女漫画を原作とするフィクション時代劇ながら、第9代国王・成宗の治世初期に起きた実際の出来事を巧みに取り入れた歴史考証の精密さも、高く評価された。

主演を務めるのは『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』で知られるパク・ウンビン。彼女の渾身の演技が、観る者の心を揺さぶる。

(画像=Netflix)

主演:パク・ウンビン、ロウン、ナム・ユンス
あらすじ:王位継承者だった双子の兄弟の死により、男装して王となる運命を背負った女性。自分の正体、そして秘めた恋心を誰にも明かせないまま、波乱の人生を歩んでいく。

『新米史官ク・ヘリョン』(Netflix)

第11代国王・中宗の時代、「女性も史官として登用すべきだ」という提案が一部で持ち上がった。しかし、中宗はさまざまな理由をつけて反対し、制度は結局実現しなかった。

もしこの「女子史官制度」が本当に導入されていたら?そんな仮定から生まれたのが、本作『新米史官ク・ヘリョン』である。

描かれるのは、時代に根深く残る差別や偏見に立ち向かい、自らの力で夢をつかみ取ろうとする女性たち。特に主人公ク・ヘリョンの姿は、現代を生きる私たちにも勇気を与えてくれる。

シン・セギョンとチャウヌの華やかなビジュアルも相まって、時代劇特有の重苦しさはなく、軽やかに楽しめる作品となっている。

(画像=Netflix)

主演:シン・セギョン、チャ・ウヌ、パク・ギウン
あらすじ:自由と本を愛するク・ヘリョンが歩み始めたのは、朝鮮王朝初となる女性史官の道。数々の困難にも負けず、宮廷のすべてを記録するという使命を全うすべく突き進む。

『100日の郎君様』(Netflix ほか)

颯爽と主役に扮したド・ギョンスの演技力が称賛に値する。本当に幅広い演技ができるスター俳優だ。物語の序盤は悪徳高官による陰謀によって王宮が極度に緊張していく様子が巧みに描かれていた。

記憶を失った世子が生まれ変わって村の娘と夫婦になっていくのだが、ペーソスもあって痛快に物語を楽しめる。後半は再び王宮に世子が戻って典型的な勧善懲悪の物語が展開される。王宮で起こった事件を捜査する役人を演じたキム・ソンホも本当に目立っていた。

(画像=Netflix)

主演:ド・ギョンス、ナム・ジヒョン、チョ・ソンハ
あらすじ:記憶を失くした朝鮮王朝の世子が、ひょんなことから婚期を逃した庶民と結婚することに。かりそめの夫婦として暮らすうちに、やがて2人はひかれ合ってゆく。

【関連】蔦屋重三郎とまったく同じ年代を生きた朝鮮半島の名君は誰なのか

【究極セレクション】第1話から怒涛のようにグイグイ引き込まれる時代劇「ベスト5」

【ドキッとする王朝裏面史】イ・サンは即位したときに父について何を語ったか

前へ

1 / 1

次へ

関連記事


RANKINGアクセスランキング

写真


注目記事