芸能界において特別に「スター」という称号を得られたら、長く愛されたいと願うものだろう。しかし、そう簡単には叶わない。大衆の心は移ろいやすく、予測のつかない風のような存在であり、どれだけ丁寧に振る舞っても失敗の影はつきまとう。
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そして、人気を得た瞬間に生き方が変わってしまうというのも、静かなる真実である。初心を忘れず、自ら選んだ道をまっすぐに進むことは、誰にとっても容易ではない。
そんな中で、ヒョンビンはまさに特別なスターだ。その魅力は、単なる外見の良さや漠然としたイメージではなく、彼の内側にある知性と意志の強さに由来する。とりわけ、メディアへの露出を冷静に制御するその姿勢に、成熟した俳優としての気高さが感じられる。
露出が過ぎれば、関心は薄れていくのが常である。ヒョンビンはその流れをよく理解しており、過剰な露出で消耗することなく、俳優としての核心を守り抜いている。そして、トークショーやバラエティ番組では、役に込めた静かな情熱で周囲に優しく語りかけてくる。
もちろん、作品選びにおいて何を基準にするかは俳優の自由であり、その個性でもある。確かに、ヒョンビンが関わった作品のすべてが成功したわけではないにもかかわらず、彼は常に安定した地位を保ち続けている。それは、彼の選択がぶれず、本質を見据えたものだからである。
他の俳優が一度の失敗で忘れ去られることもある中、ヒョンビンは成績に関係なく、変わらぬ愛をファンから受け続けている。そして、多くの監督や脚本家も、彼とともに創作したいと熱望している。
ヒョンビンの人となりを語るとき、周囲の人々は口を揃えて「まっすぐに生きている人」と言う。その「まっすぐ」の根本は、家族を大切にしているということだ。
ヒョンビンは語る。
「最も大事に思うのは家族です。母から家族の大切さを学びました」
韓国ではごく自然な価値観ではあるが、ヒョンビンの家族への思いは、誠実という言葉すら追いつかないほど深い。その真面目さは、時に不器用に映るほどだが、彼はその価値観を己の演技にも見事に反映させている。
構成=康 熙奉(カン・ヒボン)
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