刺激のための刺激はもういらない。『春画恋愛物語』が女性向けの成人向け作品、いわゆる「19禁・逆ハーレムもの」(女性主人公1人に複数の男性が絡む恋愛ジャンル)を見事に作り上げた。
TVINGオリジナルシリーズ『春画恋愛物語』は破格的な恋愛短編集『春画恋愛物語』で都城がざわつく中、初恋に失敗したファリ姫(演者コ・アラ)が自ら婿を選ぶと宣言したことで、都城一のプレイボーイであるチェ・ファン(演者チャン・リュル)と、理想の婿候補イ・ジャンウォン(演者カン・チャニ)が巻き込まれていくロマンティック青春時代劇だ。
『于氏王后』を皮切りに、最近の『元敬』まで、偶然にも「19禁時代劇」を次々と公開してきたTVINGが、再び成人向けドラマ『春画恋愛物語』を世に送り出した。
前作とは異なり、『春画恋愛物語』は予告編の段階から明るく軽快な雰囲気を打ち出し、新たなシリーズの誕生への期待を高める一方で、続く“刺激性”への懸念も呼び起こした。
しかし、蓋を開けてみると『春画恋愛物語』は過度な刺激を排し、むしろ「優しい成人向け作品」の誕生を告げた。
これまでの「19禁」作品の多くは、女性俳優の不必要な身体の露出を中心に展開され、特に女性の身体を耽美的に映し出す演出が多かった。そうしたベッドシーンは“成人向け”でありながら、妙に女性視聴者層を排除しているような苦々しさを残していた。
しかし、『春画恋愛物語』は主人公ファリ姫の視点を中心に感情の流れを描き、その中で愛のシーンが展開される。
特に作品で最初に登場する「19禁シーン」を担うイ・ジウォン(演者ハン・スンヨン)とイ・ヨル(演者キム・テク)のカップルは、序盤の大きな流れを作る存在となる。「ごめん」「何がごめんなの?」といったリアルなカップルの会話を通じて、繊細で微妙な感情の変化を巧みに表現し、没入感を高める。
そのため、2人の甘く切ない息遣いが、気まずさではなく心をくすぐる魅力として作用するという、不思議な引き込み力を持っている。
さらに注目すべきは、本作が刺激だけを追求する作品ではないという点だ。演出を務めたイ・グァンヨン監督が「この作品では伝統を打破する過程において、女性たちの連帯が際立つ」と語っているように、本作は軽快なロマンスを基調としながらも、後半には物語の大きな転換が待ち受けていると予想される。
加えて、プレイボーイのチェ・ファン、理想の婿候補のイ・ジャンウォン、天才画家のキム・ミンホン(演者ペ・ユンギュ)など、多彩な個性を持つイケメンキャラクターたちが続々と登場する予定であり、彼らが主人公ファリ姫とどのような“胸ときめくケミストリー”を生み出すのか、期待が高まっている。
序盤から女性視聴者の心をつかんだ『春画恋愛物語』が、女性向け「19禁・逆ハーレムもの」をどれほど巧みに描き出すのか、そしてそれ以上の“何か”を“どのように”物語に織り交ぜていくのかが、本作の大きな見どころとなるだろう。
(記事提供=OSEN)
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