【『チャングム』の救世主】ミン・ジョンホの人格にかなうキャラが他にいるだろうか

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時代劇『宮廷女官チャングムの誓い』は恋愛ドラマではないが、イ・ヨンエが扮するチャングムとチ・ジニが演じるミン・ジョンホのラブロマンスは、控えめながら「ドラマの華」になっている。

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『宮廷女官チャングムの誓い』は王宮の中の女官や医女を描いているので、どうしても男性の役はサブ的な扱いにならざるをえない。

それでも、チャングムが苦悩するときに何度も救っているミン・ジョンホの存在は特別だ。彼が常にチャングムを見守っていてくれるので、ドラマが緊迫した展開になっても、視聴者が安心して物語の推移を見ることができる。本当にミン・ジョンホというキャラの役割の大きさを実感する。

彼は優秀な成績で科挙に合格した第一等の文官である。儒教的な価値観を持ち、性格も申し分がない。何よりも人間として一番大事な優しさを備えているので、どんな人にも平等に接することができる。

このドラマの終盤になると、ミン・ジョンホとチャングムが相思相愛であることが王宮の中で明らかになっていく。本来、王宮で奉職する男女同士の恋愛はご法度であり、私的な付き合いは制限されている。特に、チャングムは国王の中宗(チュンジョン)から好意を持たれているので、ミン・ジョンホが個人的な恋愛感情を悟られると彼の立場が極端に悪くなってしまう。

『チャングムの誓い』
相思相愛のチャングムとミン・ジョンホ(写真=2003-2004 MBC)

崇高な生き方の象徴

けれど、ミン・ジョンホは自分のことよりチャングムのことを優先して考えられる男だ。もしチャングムの立場が極端に悪くなったら、彼は全力でチャングムを守り切る覚悟を見せるだろう。たとえ自分の命が奪われたとしても……。

これはもう「犠牲的な恋愛精神」の最たるものである。数多くの韓国時代劇で精神性が優れた男性が登場してきたが、ミン・ジョンホというキャラクターほど高貴な人格を見せた人は他にいないのではないだろうか。

そういう意味で、チ・ジニが演じるミン・ジョンホは唯一無比の男性であり、『宮廷女官チャングムの誓い』において崇高な生き方の象徴になっている。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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