Netflixで配信されている『砂の上にも花は咲く』で、チャン・ドンユンはシルム(韓国相撲)の選手に扮して異色のキャラを披露している。彼は本当に「意外性の役」がピッタリはまる俳優だ。
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以前は時代劇『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』で女装する役にもチャレンジしていた。このときは女性たちにまじって奇声を上げながら川で沐浴をする姿に度肝を抜かれた。あまりに、女装がサマになりすぎていたからだ。本当に愉快なシチュエーションであったが、ドラマの後半では王宮の護衛武士に変身し、派手なアクションシーンでドラマを大いに盛り上げていた。
そんなチャン・ドンユンを見ていると、いつもデビュー当時のエピソードを思い出してしまう。それはまだ彼が漢陽(ハニャン)大学の経済金融学部で勉学に励んでいたときのことだ。当時の彼は、卒業後に金融関係の仕事をしたいと思っていた。
それなのに、ある日、人生を変える出来事が発生した。チャン・ドンユンがコンビニにいたときに強盗事件が起こったのだ。普通なら、真っ先に自分が逃げてしまいそうだが、チャン・ドンユンは違った。なんと、犯人の検挙に協力して事件を解決に導いたのだ。そのときのニュース番組でチャン・ドンユンが堂々と顔を見せた。
そのニュースを見ていた芸能関係者がチャン・ドンユンを見逃さなかった。インタビューに応じるチャン・ドンユンに関心を持ち、彼を芸能事務所にスカウトした。
名門大学に通っていたので大手企業への就職も可能だったチャン・ドンユン。彼は芸能界への転身についてかなり迷ったそうだが、最終的には芸能界に進むことにした。そして、俳優として成功し、数々のドラマで主役を務めた。つまり、コンビニ強盗の逮捕に協力したことでつかんだチャンスを見事に生かしたのだ。
「もしも、あのとき、コンビニで強盗と遭遇しなければ……」
チャン・ドンユンの毎日はまったく違ったものになったことだろう。彼の人生は、ドラマ以上に劇的かもしれない。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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