時代劇『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』で颯爽と主役に扮したチャン・ドンユン。彼が役柄で演じた女装姿はとても艶やかだった。
しかし、もともとは筋骨隆々とした肉体の持ち主。実際、ドラマの後半では王宮の護衛武士に変身して、ハードなアクションシーンを派手に見せてくれた。
そんなチャン・ドンユンは、正義感が強い青年だった。
彼は学生時代に名門の漢陽(ハニャン)大学の経済金融学部で勉学に励んでいたが、下宿の近くの路地で高校生たちがタバコを吸っていた。その吸い殻はあまりに多く、下宿の管理の女性たちが掃除をしなければならないほどだった。
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それが我慢ならず、チャン・ドンユンは喫煙する高校生たちを捕まえて、高校の先生たちに連絡を取って引き渡したという。黙ってはいられない性格だったのだ。
そんな彼は、将来的に金融関係の仕事をしたいという希望を持っていた。
しかし、人生をガラリと変える出来事が起こった。たまたまチャン・ドンユンがコンビニを利用しているとき、そこで強盗事件が発生したのだ。
悪事を見て見ぬふりができないチャン・ドンユンは、犯人の検挙に全面的に協力して、事件は無事に解決した。
そのときのニュース番組には、お手柄の学生としてチャン・ドンユンが堂々と登場した。
人生は何が起こるかわからない。たまたまそのニュースを見ていた芸能関係者がインタビューに応じるチャン・ドンユンに興味を持ち、彼は芸能事務所にスカウトされたのだ。
名門大学に通っていたので芸能界の誘いには迷ったそうだが、結局は芸能界に進む選択をした。
こうしてチャン・ドンユンは持ち前のルックスを生かして人気俳優に成長していったのである。
俳優になるきっかけは様々だ。とはいえ、よりによってコンビニ強盗の逮捕に協力したことが大きなチャンスにつながったとは……。
やはりチャン・ドンユンの人生には劇的なドラマ性が備わっているのだ。彼は俳優になるべき運命を持っていた、としか言いようがない。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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