ドラマ『涙の女王』は土日に韓国tvNで放送されていて、日本では同時配信されているNetflixで視聴できる。ストーリーは、クイーンズグループのデパート会社のトップを務めるホン・ヘイン(キム・ジウォン)と、法務部で活躍するペク・ヒョヌ(キム・スヒョン)の「夫婦の危機と復活」をスリリングに描いている。
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ここで重要なのが、ヘインは余命が短いと宣告されてしまう、ということだ。この衝撃の告白によって、離婚を決意していたヒョヌがガラリと態度を変えていく。彼はひたすらヘインが亡くなるのを待つようになったのだ。このあたりのヒョヌはあまりに都合がよすぎる。
それなのに、ヒョヌの心がどんどん変化していく。彼は「必死に生きようとしているヘインの姿」を見ているうちに、今まで気が付かなかった彼女の心情を少しずつ理解するようになったのだ。
そういう展開の中で、ヒョヌを演じるキム・スヒョンの演技力に心から感心してしまう。特に、人間の弱さをシリアスに出してしまうところを巧みに演じている。とにかく、人間の感情の起伏をありのままに出せる点がキム・スヒョンの持ち味だと言えるだろう。
そして、『涙の女王』でひんぱんに現れる場面が「ヒョヌが走る」というシーンだった。
たとえば、ヘインがヒョヌの故郷で行方不明になったときや、ベルリンで治療中にヘインが亡くなった兄の幻を見て飛び出したときにヒョヌは走り回ってヘインを探していた。さらに、四葉のクローバーを売っている店に駆け付けるときも、ヒョヌはひたすら疾走していた。
実際、キム・スヒョンが街中を疾走するシーンは本当に若々しい。汗がほとばしる感じで、躍動感が見ている者にも伝わってくる。とはいえ、『涙の女王』の撮影中にキム・スヒョンはどれだけ全力疾走を繰り返したことか。疲労困憊になったのではないだろうか、と心配になってしまう。「俳優は体力勝負!」ということを、キム・スヒョンを見ていて如実に痛感した。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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