テレビ東京の韓流プレミアで放送がスタートした『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』は、序盤から重厚な歴史ドラマとして迫力満点の展開になっている。ストーリーは、韓国でよく知られている歴史エピソードの「ピョンガン王女と馬鹿のオンダル」を巧みに使って作られている。
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その内容は、聡明でありながらも慈愛に満ちたピョンガン王女と、貧しくも性格が清らかな正直者オンダルの奇跡のような出会いと、内助の功による華麗なる大出世の物語を紡ぐものである。
実際、『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』を見ると、その人物描写で独自の解釈を加えつつも、「ピョンガン王女と馬鹿のオンダル」という伝統的な物語の流れを踏襲しているように見受けられる。何よりも、キム・ソヒョンが見事に体現するピョンガン王女は聡明さと不屈の意志を兼ね備えており、オンダルはナ・イヌによって演じられるとおり誠実さと人間的な温かみを持ち合わせている。
しかし、この2人の運命は、高句麗(コグリョ)を支配する悪の権力者コ・ウォンピョによって暗転し、命の危険にさらされることとなる。その結果、記憶を失って刺客となったピョンガン王女と立派な将軍の息子であったオンダルが、身分を隠して山中でひっそりと暮らす境遇に追い込まれてしまう。まさに苦難の日々を強いられる若者2人であった。
とはいえ、コ・ウォンピョのような手強い敵であっても、ピョンガン王女とオンダルは若々しい力できっと状況を好転させてくれるだろう。そのような期待を抱かせるほど、2人は協力して難敵に立ち向かう姿を見せてくれる、主役を演じるキム・ソヒョンとナ・イヌは本当に息がピッタリ合っている。
特に、キム・ソヒョンは子役時代からその演技力で定評があり、大人の女優として成長した後も時代劇でのヒロイン役を次々と成功させてきた。ナ・イヌは、その柔らかい感性で、優しい男性の役を見事に演じきっている。
運命に翻弄されながらも互いに支え合い困難を乗り越えていくピョンガン王女とオンダル。2人を描く『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』は、人間の強さと優しさの真髄を教えてくれる。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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