テレビ東京の韓流プレミアでは、長く『イ・サン』を放送していたが、それも終わり、9月1日からはイ・ジュノとイ・セヨンが主役を演じる『赤い袖先』がスタートした。地上波では初放送であり、大変な話題となっている。
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なんといっても、『赤い袖先』は、朝鮮王朝第22代王のイ・サンと彼が愛した宮女ソン・ドギムの至上の愛を華麗に描いている。このように「国王と宮女の禁じられた恋」というテーマに大いに注目したい。とはいえ、このドラマに関しては展開を心配する声もあった。なぜなら、すでにイ・サンについては名作『イ・サン』が細かく取り上げていたからだ。
イ・ソジンが演じた主人公イ・サンのキャラクターは名君にふさわしい思慮深さに満ちていて、時代劇が好きな人たちに強く印象づけられている。それだけに、もう一度イ・サンと宮女の恋愛物語をドラマ化すると、視聴者からは「結末までよく知られている話をまたやるのか」というふうに思われる恐れがあった。
そんな危惧を払拭したのが、『赤い袖先』のチョン・ジイン監督だった。彼女はチョン・ヘリ脚本家と協力して、原作となる小説『赤い袖先』のエッセンスをドラマにうまく取りいれてストーリーの世界観を広げ、1人の女官から見たイ・サンの苦悩と成長を本当に情感豊かに描いていた。
特に、イ・ジュノとイ・セヨンという2人の主人公のキャスティングが大成功だった。兵役からの復帰作となったイ・ジュノは、歴史上であまりに有名な名君を堂々と演じて好評を博した。また、イ・セヨンは朝鮮王朝時代に生きた宮女ソン・ドギムを繊細に表現して当時の情緒を再現した。
また、英祖(ヨンジョ)を演じたイ・ドクファも、さすがの演技だった。彼の緊迫感あふれる演技は本当に重厚だった。
こうして完成した『赤い袖先』は、「俳優の巧みな演技」「華やかなストーリーの面白さ」「映像の美しさ」が際立っている。史実に基づいた王朝宮廷劇の面白さを改めて再認識させてくれるだろう。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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