2011年、ドラマ『芙蓉閣の女たち~新妓生伝』で彗星の如く現れた女優イム・スヒャン。無名の新人だった彼女がオーディションで約2000倍の倍率を勝ち抜き、売れっ子脚本家が手がけるドラマの主演に抜擢されたことは当時、大いに注目を集めた。
中学の頃から女優を目指したという彼女は、掴んだチャンスを逃さず、地道にキャリアを積んできた。
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たとえば、ドラマ『私のIDはカンナム美人』では小心者の大学新入生でヒロインのカン・ミレを演じたが、男性主人公や周辺人物とのバランスを保つ自然な演技が好評を得た。
また、ドラマ『私がいちばん綺麗だった時』では、陶芸家になることを夢見る大学生オ・イェジ役を熱演。女性らしい性格だが、芯が強いしっかりしたヒロインを立体的に作り上げ、世間からは「演技がさらに上手くなった」と好評を博し、演出したオ・ギョンフン監督からは「5年、10年後には大女優になるはず」と称賛された。
その力量は、最新主演作『コクドゥの季節』でも存分に発揮されている。
イム・スヒャンが演じたヒロインの女医ハン・ケジョルは、ある日、階段で転びそうになったところを謎の男に助けられる。
その後、転職をするために面接を受けた病院で、自分を助けてくれた謎の男にそっくりなエリート外科医ト・ジヌ(キム・ジョンヒョン)の目にとまり、雇われることに。
ケジョルは運命の出会いだと喜んだものの、それも束の間。ある事件に関与していたジヌはケジョルの目の前で、自殺に見せかけて殺されてしまう。
ここでコクドゥの登場だ。1000年前にケジョルの前世だったソリと叶わぬ恋をした死神・コクドゥ(キム・ジョンヒョン)は、自分を死神にした神からの呪いを解くため、ソリの転生(=ケジョル)に愛を言われなければならない。そんな彼が殺されたジヌの体に乗り移ることで、本格的に物語が動き始めるのだ。
イム・スヒャンは劇中、1人2役をこなした。前世では武士のオ・ヒョン(キム・ジョンヒョン)と悲運の恋をした高麗時代の高貴な女性ソリ、現在では仕事運も男運もなく災難ばかり続くが持ち前の明るさで乗り越える女医のハン・ケジョル。
ソリとケジョルは相反するイメージを持つキャラクターだが、イム・スヒャンは2人を見事に演じ分けた。しかも、ケジョルの時はファンタジーロマンスにぴったりの陽気さを、ソリの時は時代劇での活躍に期待が募る気高さを感じさせた。
『コクドゥの季節』の脚本を手がけた脚本家のカン・イホン、ホ・ジュヌは、「賢いけど抜けていて、たくましいけど怖がりな医者のハン・ケジョルを表現するのは難しいと思った」そうだが、「幸いなことに魅力的な女優が世の中に存在したし、それがイム・スヒャンだった。シンクロ率100%の完璧なキャスティング」と、イム・スヒャンを絶賛していた。
ちなみに演出を担当したペク・スチャン監督とイム・スヒャンは、冒頭で紹介した『芙蓉閣の女たち~新妓生伝』の時からの知り合いだという。ドラマファンと業界の関係者らから熱い支持を受けるイム・スヒャンが真骨頂を発揮した『コクドゥの季節』。その魅力的な演技を、ぜひ堪能してみてほしい。
(文=李 ハナ)
☆ドラマ情報
『コクドゥの季節』
演出:ペク・スチャン/キム・ジフン
脚本:カン・イホン/ホ・ジュンウ
出演:キム・ジョンヒョン、イム・スヒャン、アン・ウヨン、キム・ダソム、キム・イングォン、チャ・ヨンファなど。
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DVD-SET2 2023年10月6日(金)発売
各16,720円(税抜15,200円)
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■【写真】キム・ジョンヒョンが震える声で…『コクドゥの季節』制作発表会の様子
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