テレビ東京の韓流プレミアで放送されているイ・ソジン主演の『イ・サン』。本作において重厚な雰囲気を醸し出しているのが国王の英祖(ヨンジョ)で、韓国芸能界を代表する重鎮俳優のイ・スンジェが演じている。
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この英祖は『イ・サン』の冒頭から頻繁に登場している。まずは息子の思悼世子(サドセジャ)を米びつに閉じ込めて餓死させてしまった。その際に10歳のイ・サンが父の助命を懇願したが、英祖はそれも聞き入れなかった。彼は王朝を守るためにあえて素行の悪かった思悼世子を切り捨てたのである。
こうなると英祖の後を告げるのはイ・サンしかいない。だからといって英祖は決して甘やかさなかった。国王になるためにはどんな資質が必要なのか。そのことを教えるために英祖はあえて厳しいことをイ・サンに言い続けた。このような英祖の姿はイ・サンが後に名君になる上でとても重要な役割を果たしていた。
それにしても英祖を演じたイ・スンジェの演技力はさすがである。国王の威厳、そして祖父としての優しさ……この両方を的確に表現してイ・スンジェは『イ・サン』というドラマを大いに盛り上げていた。
そんなイ・スンジェは、『イ・サン』の前にも『ホジュン～宮廷医官への道～』『張嬉嬪（チャン・ヒビン）』『不滅の李舜臣』といった時代劇に出演している。
『ホジュン～宮廷医官への道～』は、チョン・グァンリョルが伝説の名医と言われた主人公のホ・ジュン役を務めた作品で、イ・スンジェはそのホ・ジュンの師匠であるユ・ウィテ役を務めていた。
『張嬉嬪（チャン・ヒビン）』は、「朝鮮王朝三大悪女」の1人である張嬉嬪をキム・ヘスが演じた時代劇で、19代王・粛宗（スクチョン）をチョン・グァンリョルが務めていた。
イ・スンジェはこのドラマで、西人派（ソインパ）の巨頭で領府事のソン・シヨルというキャラクターを演じた。
ベテランの俳優としてすばらしい演技を披露してきたイ・スンジェは、時代劇だけでなく現代劇でも注目を集めている。『イ・サン』で英祖を演じる彼の演技にぜひ注目してほしい。
文＝大地 康
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