財力・知力に身体能力まで兼ね備えた財閥会長と、アルバイトを掛け持ちしながら金稼ぎに奔走する“超視力女子”によるによるロマンティック・ラブコメディ「グッジョブ」は、再共演のチョン・イルとユリ(少女時代)が披露した息の合った演技以外にも、見どころ盛りだくさんで楽しませてくれる。
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■バディで難事件や謎を解決していく韓国ドラマにはハズレがない!
まず目を引くのは“バディ物”としての面白さ。韓国では様々なコンビが活躍するドラマが近年人気を呼んでいる。その中には、刑事と推理好きの主婦が数々の事件に挑む、クォン・サンウ主演の「推理の女王」シリーズのような正統派の捜査劇もあれば、ソン・ジュンギ扮するマフィアの弁護士が女性弁護士と組んで、悪の力でより強大な悪を制する「ヴィンチェンツォ」のように、ちょっと目先の変わったドラマもあって多種多様。
本作の主人公ウン・ソヌとトン・セラは、これまで描かれたコンビの中でも、特にキャラクターの魅力が際立つ組み合わせ。一見接点のなさそうな二人が相棒になることで、それぞれの特技や能力が何倍にもアップして、事件の解明が徐々に進んでいく過程に惹きつけられる。スパイ映画に出てきそうな、地下鉄駅を模したクールな秘密基地を拠点に、20年前のソヌの母親殺害事件の真相を探る二人は、次々に立ちはだかる問題を協力して解決していく。育った環境はまるで違っても、正義感と行動力は人一倍という共通点を持った彼らが最強のコンビであることに誰も異論はないはず。
■サブカップルの相性もヒットに導く重要な要素!
そんな二人を取り巻くユニークな人々の存在も見逃せない。その筆頭はソヌの片腕ヤン・ジンモと、セラの親友サ・ナヒ。優れたハッキングの腕でソヌの探偵稼業を助ける弁護士のジンモと、血の気が多くて友達思いのパン屋オーナーのナヒは、最悪の出会いをして犬猿の仲となる。ところが、酔った勢いで一夜を過ごしたことから急接近。微笑ましいカップルを生き生きと演じたのは、「熱血司祭」のユニークなキャラクターで一躍知名度を上げて以降活躍が続くウム・ムンソクと、ミュージカル出身で近年は「まぶしくて—私たちの輝く時間—」や「ダークホール~愛を奪う闇~」などのドラマでもおなじみのソン・サンウン。彼らのコミカルな味がドラマを強力にバックアップした。
■「梨泰院クラス」のカン・ミング監督が個性あふれる俳優陣を束ねる!
また、ソヌを支えるホン室長にも和まされる。長年ソヌに仕えながらもその裏の顔を知らず、神出鬼没の彼に翻弄される姿は気の毒にも思える。ちょっとしたリアクションが面白い室長を演じたのは名脇役のイ・ジュニョク。「ポッサム~愛と運命を盗んだ男~」でもチョン・イルの相棒役を好演した彼が、とぼけた風貌で見事にコメディリリーフとしての役割を果たした。
ほかに、敵役の面々にも注目したい。副会長カン・ワンスの息子テジュンはソヌを敵視して何とか失脚させようと画策するが、考えが足りずに空回りしてばかりの情けない役どころ。「ストーブリーグ」や「昼と夜」のユン・ソヌが誠実なイメージを脱ぎ捨てて、すぐにキレるキャラクターで新たな一面を見せた。そんな軽率な息子に手を焼く副会長は、20年前の事件の鍵を握る人物。権力者役で定評があるベテランのチョ・ヨンジンが、単純な悪役とは言えない役柄で脇を固めている。テジュンを補佐するキム秘書の動向からも目が離せない。「愛の不時着」のホン・ウジンが感情を見せず腹の底が読めない、この要注意人物を巧みに演じた。
彼ら個性派俳優たちを「梨泰院クラス」の共同監督として知られるカン・ミング監督がうまく束ねて、キレのあるテンポのいい演出を披露。コメディとシリアスのバランスが絶妙で、アクションシーンにも感服させられる。ソヌとセラをはじめ、実は思わぬ縁で結ばれている登場人物たち。バラバラだったピースが埋まった時、すべての真相が明らかになる。最後にどのような絵が現れるのか……期待を裏切らない、いや期待以上の結末が待っている!
文=小田香(ライター)
●作品情報
『グッジョブ』
U-NEXTにて独占先行配信中!
DVD-SET1 2023年3月3日(金)発売
DVD-SET2 2022年4月5日(水)発売
各12,540円(税抜11,400円)
※3月3日(金)よりDVDレンタル開始
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
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