今の韓国芸能界で真の意味でトップ女優は誰か。そういう質問があったとすれば、その筆頭候補がキム・ヘスではないだろうか。
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実績、演技力、存在感を考えれば、キム・ヘスほど韓国の女優を代表できる人は他にいないかもしれない。
とにかく、映画やドラマの授賞式でキム・ヘスが見せるオーラは並大抵ではない。もはや「伝説」と呼んでもいいくらいの貫禄だ。
そんなキム・ヘスは、2022年にドラマで大活躍した。
最初は、Netflixで配信された『未成年裁判』であった。
このドラマはタイトルのとおり、未成年を裁く判事たちを描いたドラマだ。
キム・ヘスが演じたのは、地裁の少年刑事合議部・右陪席判事を務めるシム・ウンソクである。普通のキャラクターではない。人と簡単に交流しないような孤高の雰囲気を持っている。そういう意味ではフレンドリーな女性ではない。しかし、仕事では妥協を許さず、とことん真実を追求する。法の番人としては申し分のない人だ。
しかし、協調性に欠けている。それが人間関係で摩擦を生んでしまうのだが、シム・ウンソクは気にしない。仕事をするうえで邪魔となることは徹底的に排除していくのだ。
そんな独自な人物をキム・ヘスが演じてドラマを引き締めている。さすがにトップ女優だ。細かい表情の変化も完璧に演じていた。
こうして『未成年裁判』で実力を示したキム・ヘスは12月に終わった『シュルプ』でも、際立った主役に扮した。
演じたのは、5人の大君(テグン/王妃が産んだ国王の息子)の教育に心血を注ぐファリョン王妃だ。彼女はずっと苦しんでいた。キム・ヘスクが演じる大妃(テビ/国王の母親)が権力志向が強くて何かと王妃に反対してくるからだった。
ドラマの中で、ファリョン王妃と大妃が正面からぶつかるシーンが何度もあったが、名優同士の演技対決は、とてつもない緊迫感を生んでいた。
目立ったのが、ファリョン王妃が眉毛を吊り上げる仕草。その貫禄は、さすがキム・ヘスだと感心した。彼女の演技力によって『シュルプ』は間違いなく傑作になった。
文=大地 康
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