2022年は韓国ドラマにとって特別な年になりそうだ。とにかく、傑作が多かった。次々に作られるドラマの質がとても高く、見る人にとっても充実した1年になるはずだ。
年末になると今年のドラマ優秀作が表彰されたりするのだが、果たしてどの作品が視聴者から一番の支持を受けるだろうか。そんなナンバーワンのドラマを決める中で、現時点で最高の評価を受けている作品の一つが『私たちのブルース』だ。
tvNで放送された全20話のドラマで、素晴らしいキャストが織りなす感動的なオムニバス物語になっていた。
特に、ノ・ヒギョン脚本家が作り出したストーリーが抜群だ。済州島(チェジュド)の港町を舞台にして、多様な人たちが情の深い人間関係を築いていく話だった。
最近は、大都会で裕福な暮らしをする人たちがドラマの主要な登場人物になっていたが、『私たちのブルース』はむしろ対照的だった。ノ・ヒギョン脚本家も「地方に住む人たちを取り上げて応援したかった」という企画意図を語っていたが、まさに『私たちのブルース』は経済優先の社会が失った人情味を取り戻すようなドラマであった。
俳優陣の演技力も凄かった。
トラック行商人のイ・ドンソク(イ・ビョンホン)、海産物店主のチョン・ウニ(イ・ジョンウン)、新米の海女のイ・ヨンオク(ハン・ジミン)、船長のパク・ジョンジュン(キム・ウビン)。以上の4人が中心的に登場していたが、シン・ミナ、チャ・スンウォン、キム・ヘジャ、コ・ドゥシムという大物たちもドラマを華やかに彩ってくれた。
実際、韓国ドラマには「泣ける」ドラマが多いが、『私たちのブルース』は涙腺崩壊ドラマの典型であった。特に、イ・ビョンホンとキム・ヘジャが終盤に演じた親子物語は、珠玉の出来ばえだった。
そういう意味でも、今年ナンバーワンの候補になるのも当然かもしれない。何よりも、『私たちのブルース』は制作陣と俳優陣の熱意が込められており、同時に、韓国ドラマの底力を見せてくれた作品だ。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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