Netflixで配信中のドラマ『私たちのブルース』(tvN)が、ヒューマニズムあふれるストーリーと丁寧な演出で反響を呼んでいる。
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同作は、躍動感あふれる済州島(チェジュド)の海を舞台に、家族、友だち、隣人などの関係にある人物たちの物語をオムニバス形式で描くオムニバスドラマ。最高視聴率12.8%で地上波を含む全チャンネルの同時間帯1位を記録したほか、4週連続でコンテンツ影響力指数(CPI Powered by RACOI)ドラマ部門で1位を占めている。
辛く、厳しい人生の中でも生きる希望を探すキャラクターたちの姿は、見ている側も勇気づける。主人公たちの気持ちに没頭させる演出と、ドラマの舞台となる済州島の風景を生々しく伝える映像も、ドラマのクオリティを高める要素だ。今回は、好評を博した『私たちのブルース』の演出を紹介する。
チャ・スンウォン扮するチェ・ハンスが幼い頃に遊んでいた海で少年時代の自分と向き合うシーンは、今も語られている名シーンだ。
厳しい人生を生きる中年のハンスが、覇気に満ちていた少年ハンスを苦々しく見つめ、少年ハンスが中年ハンスを切なく見つめる姿は、視聴者の心を打った。ハンスが青春の海の中に入る美しいミザンセーヌは、視聴者たちの“花様年華”を思い出させ、序盤から強烈な印象を残した。
シン・ミナ扮するミン・ソナのうつ病を表現する演出も、視聴者を惹きつけた。全身が水に浸かったかのように手から水がぽたぽた落ち、目の前が真っ暗になる演出で、彼女が感じる恐怖と不安を感じさせている。
強い母になるため、うつ病を克服しようと努力する時は人生の光である息子を中心に周りが明るくなる演出や、少しずつ都心の明かりがつく演出で感動を極大化させた。
傷ついたさまざまな人生を描く『私たちのブルース』は、人物たちの状況と気持ちに入り込ませる演出で深い余韻を感じさせている。
情があふれる町と五日市、その中で生きていく人々の暮らしぶりはさまざまなアングルで生き生きと映している。
黒い玄武岩と緑の野原が調和された風景、海にいく海女たち、海が見える町の風景が俯瞰アングルを通じて気持ちよく映り出される。
ヨンオク(演者ハン・ジミン)とジョンジュン(演者キム・ウビン)の夜の散歩シーンは、異国的な済州の海が背景となり、目を引いた。
活気あふれる五日市の風景には、制作陣の隠れた努力があった。リアリティを出すために実際の五日市で撮影したほか、新鮮な海産物と、早朝から働く市場の人々の姿を観察するように映し、臨場感と現実感を実現させた。
海の匂い、五日市の躍動感などを画面越しに伝える演出が、『私たちのブルース』の魅力を倍増させている。
キム・ギュテ監督を筆頭に、キム・ヤンヒ、イ・ジョンムク監督は個別エピソードの色を出しつつ、一つの作品としてまとめる演出コラボで『私たちのブルース』の完成度を高めている。物語の魅力と、俳優たちの演技に没入させる演出の力は、残りのエピソードでも感じられそうだ。
(記事提供=OSEN)
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