今年の上半期は面白いドラマが多かったが、とりわけ人生ドラマの傑作が相次いだ。一つは『私の解放日誌』であり、もう一つは『私たちのブルース』であった。両方の作品のタイトルに「私」が入っているのが何やら暗示的だが、特に『私たちのブルース』は超豪華な俳優陣も話題になった。
【写真】『イ・サン』主演ハン・ジミン、最新カットで放った恍惚感にうっとり。まさに“圧巻の美しさ”【PHOTO】
イ・ビョンホン、シン・ミナ、チャ・スンウォン、イ・ジョンウン、オム・ジョンファ、ハン・ジミン、キム・ウビン、キム・ヘジャ、コ・ドゥシムなど、主役級がこぞって登場してドラマを大いに盛り上げた。
こうした俳優たちが繰り広げた人生ストーリー……その中で、まぶしいほど輝いた演技を見せたのがハン・ジミンだった。
彼女が扮したイ・ヨンオクは、当初は謎めいた女性だった。済州島(チェジュド)にやってきて海女の新人となり、同時に酒場も切り盛りしていた。しかし、自分のことを話さないので、周囲からは「嘘つきな女だ」と陰口をたたかれることもあった。
そんなイ・ヨンオクに惚れていたのが、キム・ウビンが演じた船長のパク・ジョンジュンであった。彼は献身的にイ・ヨンオクを見守っていて、彼女が海女として失敗して非難されたときにも、温かい声をかけていた。
そうした優しさがイ・ヨンオクにも徐々に受け入れられて、2人は旅行に出かけるほどの仲になっていく。しかし、彼女には親族の問題で悩みがあり、恋にはどうしても消極的にならざるをえなかった。
そんなイ・ヨンオクの揺れ動く心をハン・ジミンが情緒を込めて美しく演じていた。
ネタバレになるので詳しくは書かないが、『私たちのブルース』でたくさん披露されたオムニバスのストーリーの中で、「イ・ヨンオクとパク・ジョンジュンの物語」が秘められたエピソードもあって個人的に一番面白かった。
特に、ハン・ジミンの演技は愁いと喜びが微妙に交差して、とても余韻が残るものだった。多くの俳優が参加した『私たちのブルース』の中で最優秀女優賞を選ぶなら、ぜひハン・ジミンを推薦したい。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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