『哲仁王后』の序盤を賑わす哲宗はホントに「酒と女で身を滅ぼした」国王なのか

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早くも面白さに抱腹絶倒だろうか。テレビ東京で9月9日から始まった『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』のことだ。

【写真】『愛の不時着』や『哲仁王后』で活躍したキム・ジョンヒョンはどんな俳優なのか

ドラマの序盤は、大統領官邸でチェフを務めるチャン・ボンファン(チェ・ジニョクが演じている)が罠にはまって逃亡するときにプールに落ちてしまうという展開だった。その末に、彼の魂は朝鮮王朝時代の王宮にいたキム・ソヨンという女性の心に入り込んでしまう。

このキム・ソヨンを人気女優のシン・ヘソンが演じていて、彼女の役は後に哲仁(チョリン)王后になるという設定になっている。

身体がキム・ソヨンになってしまったチャン・ボンファンは、朝鮮王朝時代の王宮に自分が入り込んでいることをようやく理解できたのだが、「さて、どの時代に生きているのか」という実態がまったくわからなかった。

そこで、女官に国王の名前を尋ねるのだが、現代韓国の人が知っている朝鮮王朝の国王の名前は諡(おくりな)なので、当時の人が国王の名前を知っているわけがなかった。諡というのは、死後に贈られる尊号であり、生前には使われないからだ。

キム・ジョンヒョンが哲宗を演じている(写真=© STUDIO DRAGON CORPORATION)

評判のよくない国王

そこで、チャン・ボンファンは国王の名前を順に言ってみることにした。現代韓国では学校で朝鮮王朝の国王の名前を強制的に覚えさせられるので、チャン・ボンファンも記憶を呼び戻したのだ。

その結果、今の国王が「哲宗(チョルジョン)」であることがわかった。

歴史で習ったことを通してチャン・ボンファンは哲宗が「酒と女で身を滅ぼした国王」であることを知っていた。それほど、哲宗は評判がよくない国王なのである。

実際、哲宗は無学であり即位当時は漢字をあまり知らなかったと言われている。ドラマでも、周囲の高官たちがキム・ジョンヒョンの演じる哲宗に対して明らかに馬鹿にするような態度を見せていたし、哲宗自身も漢字の文書をさかさまに読んでいるようなシーンもあった。これは、哲宗の評判を鵜呑みにしたような演出であった。

しかし、『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』での描き方を見ていくと、哲宗はもっと知性的な雰囲気を出していて、欲望をむきだしにするような人物ではない。そういう意味では、『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』は哲宗の評価に対して新しい解釈を加えるようなドラマであると言える。

そのあたりを知っておくと、このドラマをさらに歴史的に興味深く見ることができるだろう。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

『哲仁王后~俺がクイーン!?~』DVD-BOX 18,000円(税抜)
発売元:ストリームメディアコーポレーション/販売元:TCエンタテインメント/
© STUDIO DRAGON CORPORATION

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