テレビ東京の韓流プレミアで放送されているドラマ『ヘチ 王座への道』は、4月20日の第16話で、老論派の高官の多くが謀反の罪を問われて厳しく処罰された。
その反対に勢いを得たのが対立派閥の少論派だ。
この派閥は在位中の20代王・景宗(キョンジョン)を支えているので、大いに「我が世の春」を謳歌することになった。
こうした状況を苦々しく見ていたのが、イ・ギョンヨンが演じるミン・ジノンだ。
彼は老論派の重鎮。『ヘチ 王座への道』では序盤から老論派を仕切ってきた。
しかし、少論派の天下となり、老論派は勢いを失った。ミン・ジノンとしても、巻き返すのが容易ではなかった。
とはいえ、少論派も決して安泰ではなかった。
懸念されたのが、景宗の健康問題だ。彼はもともと病弱であり、後継ぎを残すことができなかった。それによって、チョン・イルが演じるヨニングンが世弟(セジェ)となり、彼は王命によって代理聴政(テリチョンジョン/摂政のこと)も任されるようになった。
これは、ヨニングンの権力がますます高まることを意味している。なにしろ、王朝のナンバー2でありながら摂政まで行なうのである。ヨニングンがやりたいことがあれば、王朝は彼の意のままになりそうだった。
これに危機感を持ったのが少論派だ。病弱な景宗がもし世を去ったら、ヨニングンが即位して独自の政治改革を行なうことが間違いなかった。それは、決定的に少論派に不利なことだった。
そのとき、老論派はどう動くのか。謀反の騒動によって手放した権力を取り戻すチャンスを得られるかもしれない。
そのことをミン・ジノンも熟知していた。それだけに、ヨニングンとの距離の取り方が重要になってくる。老論派としては、少論派を抑えてヨニングンを巧みに取り込むことが最善の策であるに違いない。
そのために、何をすべきなのか。ヨニングンとミン・ジノンには過去に葛藤があったが、果たして新しい関係を築けるのか。
『ヘチ 王座への道』では、終盤に向けて老論派の動向が本当に見逃せない。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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