通り一遍のラブコメにしないところが、いかにも歴史を扱っている韓国時代劇らしい。たとえば、最初はラブコメのように思えたのに、続けて見ていくと激しい権力闘争が描かれるシリアス史劇だったとか。
このように、前半はニコニコしながら奇想天外な展開を楽しんでいると、後半になると強烈な悪役によって主人公が徹底的にいじめられていく。このように、ラブコメとシリアス史劇がコラボしている時代劇は見る人を大いに楽しませてくれる。そんな3本を選んでみた。
【関連】『青春の記録』でパク・ボゴムの虜になった人へ…必ず観るべき作品は?
設定が典型的なラブコメだった。キム・ユジョンがなんと内侍(ネシ/去勢された官僚)となって男装していて、パク・ボゴムが超イケメンの世子(セジャ)を演じながら極端なツンデレだった。
この2人がドキドキするような宮廷ロマンスを演じていたが、後半になると熾烈な権力闘争の渦中に世子が巻き込まれて常に命のピンチにさらされていた。そんな場面では歴史的な事実も織り込まれていて見応えがあった。それにしても、パク・ボゴムの韓服姿は本当に似合っていた。
主役のチャン・ドンユンが演じたのは、男子禁制の村にもぐりこむために女装するノクドゥだった。しかも、キム・ソヒョンが扮するドンジュと同居することになり、展開はまさに正真正銘のラブコメ。
しかし、後半は緊迫した場面の連続だった。特に、ノクドゥが国王の息子であったことが明らかになってからは、王位をめぐる争いが本当に熾烈になっていった。さらに、光海君(クァンヘグン)と仁祖(インジョ)の対決もあり、シリアス史劇としても見応えがあった。
主役のド・ギョンスは最初こそ不機嫌な世子を演じていたが、その世子は暗殺されそうになって記憶喪失になり、結局はとぼけた村人になってしまう。そして、ナム・ジヒョンがしっかり者の妻を演じ、村の夫婦のほのぼのとした生活ぶりがラブコメとして大いに楽しめた。
後半は王宮に戻った世子が悪徳高官と対決していく場面はハラハラの連続だったが、最後はまたラブコメに戻って最高のフィナーレを見せてくれた。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
■【関連】フィナーレを迎えた『ノクドゥ伝』で主役チャン・ドンユンは何を語るのか
前へ
次へ