韓流の若手の中でトップ俳優になっていたパク・ボゴムは、8 月から兵役に入っていて、海軍で服務中である。それでも、彼の新作を今も見ることができる。
兵役に入る前にすべての撮影を終えていた新作ドラマの『青春の記録』が9 月から韓国で放送されて、日本でもネットフリックスで配信中だ。
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さらに、パク・ボゴムがコン・ユとダブル主演した新作映画『徐福』が12月に公開される。このように、たとえパク・ボゴムが兵役の真っ最中でも、『青春の記録』や『徐福』で彼の演技を堪能することができる。これは、本当にうれしいことだ。
しかも、パク・ボゴムには従来の傑作クラスの作品がたくさんある。その中で、時代劇として大人気となったのが『雲が描いた月明り』だ。
このドラマでパク・ボゴムは、『トンイ』『太陽を抱く月』などの時代劇で天才子役と称されたキム・ユジョンと共演している。
その彼女が扮したホン・ラオンは架空の人物なのだが、パク・ボゴムが演じたイ・ヨンは実在の人物がモデルになっている。その人物とは、孝明(ヒョミョン)世子のことである。果たして、どういう人だったのだろうか。
孝明世子は、23代王・純祖(スンジョ)の長男として1809年に生まれた。18歳のときに政治を代行して成果をあげたが、惜しくも1830年に21歳で亡くなっている。もし早死にしなければ、孝明世子は名君になっていたはずだ。それほど才能が凄かった。そんな孝明世子をパク・ボゴムが凛々しく堂々と演じていた。
一方、キム・ユジョンが演じたホン・ラオンは、女性でありながら内官として王宮に入っていく。これは、朝鮮王朝では絶対にありえないことである。なぜならば、内侍府(ネシブ/王族の世話係や護衛係を担った役所)の内官というのは宦官(去勢された男性の官僚)が条件となっており、その点で厳しいチェックが行なわれた。女性が内官には絶対になれないのだ。
しかし、『雲が描いた月明り』はそのあたりをユニークに描いていた。このように、『雲が描いた月明り』は歴史とフィクションをうまく織り交ぜた時代劇であり、その面白さが大ヒットにつながった要因になっていた。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
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