チュ・サンウクは、特別に強い王を演じるのにふさわしい俳優だ。
なにしろ、強烈な個性を存分に表現できる俳優として定評がある。そして、緊迫した場面では、相手の目を射抜いていくような凄みを持っている。
それが存分に発揮されたのが『不滅の恋人』だった。このドラマでチュ・サンウクは、7代王の世祖(セジョ)を演じていた。
この国王は甥から王座を強奪していく人物であり、目的のためには手段を選ばなかった。ドラマでもチュ・サンウクは世祖を恐ろしいほどの迫力で演じ、ユン・シユンが扮した安平大君(アンピョンデグン)と激しく対立していった。
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こうして、『不滅の恋人』で非道な国王を演じたチュ・サンウクは、時代劇で個性の強さを見せつけた。
そういうキャリアを持つだけに、彼には再び強い国王の役で白羽の矢が立った。
それが、韓国KBSの大河ドラマ『太宗イ・バンウォン』(原題)の主役だった。
彼が演じるのは、イ・バンウォン(李芳遠)である。後の3代王の太宗(テジョン)だ。
この太宗は、27人いる朝鮮王朝の国王の中で、一番強くて剛腕だったと言われている。なにしろ、弟2人を殺して建国初期の権力を手中におさめると、自分が国王になってからは仏教を迫害して王朝の基盤を整備した。それほどの大王である。
そんな太宗は世祖の祖父に当たる。こうした血縁関係を持つ2人を相次いでチュ・サンウクが演じることになった。彼としても役者冥利に尽きることであろう。
韓国の公共放送であるKBSでは、週末に大河ドラマを放送するのが定番だった。しかし、事情があってそれが5年ほど中断していた。それがついに復活して、記念すべき大作として『太宗イ・バンウォン』が放送される運びになった。
そして、チュ・サンウクが大河ドラマの主役として時代劇に戻ってきた。
彼がどんなふうに大王を演じるのか。おそらく、今まで太宗を演じた俳優の中でも、特別に記憶に残る強烈な姿を見せてくれるだろう。
12月から韓国で放送される『太宗イ・バンウォン』に注目したい。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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