『海街チャチャチャ』が終わってしまった。秋の海で過ぎた夏の賑やかさを思い出すかのような寂しさがある。
そうなのだ。『海街チャチャチャ』は真夏の太陽を象徴するドラマだった。
舞台になっていたのはコンジンという海辺の町。灯台があって、漁港があって、砂浜があって、高台の丘がある。本当に風光明媚なところだ。
そこにソウルから移り住んできた歯科医師のユン・ヘジン。彼女は町の人気者のホン班長に助けられて歯科医院を開設する。彼にはホン・ドゥシクという名前があるのだが、誰もが親しみを込めてホン班長と呼んでいる。
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まさに、大人のおとぎ話だ。勝ち気でソウル暮らしを自慢するようなヘジンは地元の人たちと合わない。歯科医院も閑古鳥だ。けれど、ホン班長が巧みな緩衝材になってヘジンをコンジンに馴染ませる。いつしか2人は恋心を抱き、素敵な夢を見ていく。
そんな物語に地元の人間模様が賑やかに加わっていき、『海街チャチャチャ』は見る人を心地よく波間に浮かんでいるような気分にさせてくれる。
ヘジンを演じるシン・ミナとホン班長に扮したキム・ソンホ。えくぼが特徴の2人の美男美女が潮風の吹く海辺で織りなす各場面が本当に絵になっている。
もちろん、辛い場面もある。コンジンで生まれ育ったホン班長がソウルに出ていた時期にとても悲しい出来事があった。それは終盤になって明らかになるのだが、そうした人生の悲劇を乗り越えて、ヘジンとホン班長は最高のラブストーリーをクライマックスに持っていく。
そして、最終話を見終わったとき、本当に爽やかなおとぎ話を見た気分になってくる。もちろん、楽しみにしていたドラマが終わって寂しいのは確かなのだが、それ以上に、素敵な夢を見させてくれたことに心から感謝したくなる。
そして、「その後」も気になってくる。
果たして、コンジンの町でヘジンとドゥシクは幸せに暮らしているだろうか。
そのことを確かめに、『海街チャチャチャ』のロケ地を訪ねたくなるだろう。それも一つのドラマだ。
これからもアフターストーリーがたくさん生まれそうだ。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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