チョン・ジュノは本当に味のある俳優だ。出演作はとても多く、『ホテリアー』や『ラスト・スキャンダル』などで鮮烈な印象を残している。
そんな彼が、日本の韓流ファンによく知られたドラマが『IRIS-アイリス-』だった。
彼はイ・ビョンホンが演じた主人公の親友の役に扮し、表情豊かな演技でドラマを大いに盛り上げた。
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『IRIS-アイリス-』はTBSのゴールデンタイムに放送されたので、韓流ファン以外の視聴者も多かったに違いない。そんな視聴者にチョン・ジュノは忘れられない印象を残したことだろう。
このように活躍していたチョン・ジュノは、『オクニョ 運命の女(ひと)』でも、とても重要な役を演じていた。
それは、歴史上で典型的な悪人と称されている尹元衡(ユン・ウォニョン)なのだ。
この男はどういう人間なのか。
彼は、11代王・中宗(チュンジョン)の三番目の正妻だった文定(ムンジョン)王后の弟だった。
自分には能力がまったくないのに、文定王后の力に頼って大出世を果たし、私腹を肥やす悪事ばかり働いていた。
しかも、賄賂政治で朝鮮王朝の王宮を汚した張本人であった。そんな悪役を演じきったチョン・ジュノには本当に凄みがあった。
何よりも、主役として多くのドラマに出ている二枚目俳優が、見ている人が嫌悪するような悪人を演じたのだ。そのギャップに迫力があった。
こういう配役を実現させたイ・ビョンフン監督のキャスティングは本当に巧みだった。さすがに「時代劇の巨匠」と呼ばれるほどに冴えていた。
チョン・ジュノは、『オクニョ 運命の女(ひと)』のあとにも、すばらしい活躍が続いた。社会現象を巻き起こすほど話題になった『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』でも印象的な演技を披露したし、『ノクドゥ伝』や『女神降臨』でも存在感を示した。
今後も、チョン・ジュノの演技から目が離せない。強烈な俳優魂を見せてくれることだろう。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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