チョ・スンウという俳優は、どの役を演じても人間味がある。
彼は数々の映画で主役を担ってきたが、毎回違う役になりきりながら、見終わってみると、「チョ・スンウらしい個性」というものを感じさせる。内面の豊かさが細かい演技によく反映されるからだろう。
【関連】『馬医』(バイ=マウィ)とはどんな職業?身分は良かったのか
それまでは映画やミュージカルで活躍してきたチョ・スンウは、本当に意外なことに、『馬医』での主演がテレビドラマの初の出演だった。
なぜ、彼は今までたくさんのオファーを受けながら、それを断り続けたのか。本人でないとわからない問題ではあるが、結果的にみると、まさに『馬医』に主演するために他の作品を拒んでいたとしか思えない。それほど、『馬医』で扮したペク・クァンヒョンという役は、チョ・スンウにピッタリであった。
しかも、ペク・クァンヒョンは本当に人間味が豊かである。チョ・スンウが演じるから、なおさらそう思えるのだが、彼はこの主人公を視聴者の目線で演じきってくれた。そこがまた、見る人の熱い共感が生んだのである。
そんなチョ・スンウがペク・クァンヒョンを演じていて一番苦労したのは手術のシーンだったという。
ドラマでも大変重要な場面であり、チョ・スンウも「スタッフみんなでヘトヘトになりながら撮っていました」と正直に告白している。とにかく、テレビドラマが初めてのチョ・スンウにとって試練とも言える手術のシーンだったが、全身全霊を傾けて取り組み、満足できる映像を撮影することができた。そのことはチョ・スンウにとっても最高の喜びだった。
さらに、イ・ビョンフン監督のドラマといえば、徹夜が続くことが多いのだが、チョ・スンウは持ち前のバイタリティで乗り切り、スケジュールをきっちりこなしていった。
数々の映画とミュージカルで培った演技力で初のテレビドラマを成功させたチョ・スンウ。彼のキャリアにさらに輝かしい日々が加えられたのである。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
■【関連】『馬医』の歴史解説!クァンヒョンやチニョンが働く司僕寺=サボクシとは?
前へ
次へ