朝鮮王朝19代王・粛宗(スクチョン)の時代を舞台にして、2010年に放送された時代劇『トンイ』。
このドラマの主人公であるトンイは、粛宗の側室だった淑嬪・崔氏(スクピン・チェシ)がモデルとなっており、女優のハン・ヒョジュが演じていた。
そのトンイとライバル関係にある張禧嬪(チャン・ヒビン)に扮していたのが女優のイ・ソヨンだ。
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実際の朝鮮王朝で「朝鮮王朝三大悪女」の1人してよく知られている彼女は、最初は側室として王宮で働いていたが、とても美しい女性だったために粛宗の寵愛を受けるようになり、側室から王妃へと昇格する。
その張禧嬪は粛宗との間に、後に20代王・景宗(キョンジョン)として即位する息子を産むが、彼女に幸せは長くは続かなかった。
トンイこと淑嬪・崔氏が水汲みとして王宮に入ってきたことで、粛宗は張禧嬪への愛を完全に失い、淑嬪・崔氏を寵愛するようになった。
1694年に、張禧嬪を王妃にする際に王妃の座から降ろしていた仁顕(イニョン)王后を再び王妃の座に戻すが、その仁顕王后は1701年に世を去ってしまう。
彼女が亡くなった原因は、張禧嬪が呪詛(じゅそ)を行なっていたからだと淑嬪・崔氏から報告を受けた粛宗は、張禧嬪に死罪を言い渡すのである。
そのように、激動の人生を歩んだ張禧嬪に扮したイ・ソヨンだが、王である粛宗の信頼を失い、死を言い渡されるという境遇を演じるのはかなり辛かったようだ。
そんな大変な役を演じていたイ・ソヨンの支えになったのが、共演したトンイ役のハン・ヒョジュや粛宗役のチ・ジニ、チャ・チョンス役のペ・スビンだという。
ハン・ヒョジュやペ・スビンとは他の作品で共演していたようだが、チ・ジニとは『トンイ』が初めて競演したという。
みんなに悩みを聞いてもらったり、気遣ってもらったりして最後までハツラツとした演技を見せたイ・ソヨン。
彼女がドラマの中で見せた演技は本当に説得力があり、女優として強烈な存在感を感じさせてくれた。
文=大地 康
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