『ヘチ 王座への道』でコ・アラの存在感が強烈な理由は?

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コ・アラは華がある女性だ。存在そのものが輝いているし、どんな役を演じても引き込まれる魅力がある。

今まで出演した時代劇は『花郎〈ファラン〉』と『ヘチ 王座への道』だが、古風な登場人物を演じても現代的なセンスで華麗に彩っている。

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そんなコ・アラが、『ヘチ 王座への道』で演じるのは、司憲府(サホンブ)の捜査官のヨジという女性だ。

身分制度と男尊女卑が激しかった朝鮮王朝時代に女性が役人になるというのは考えられないのだが、ドラマは硬いことを言わないで柔軟に女性捜査官を誕生させている。

コ・アラ

クラシックな人間関係

このように特別に設定されたコ・アラの役は、凄まじく元気ハツラツだ。男顔負けの捜査ぶりは語り草になるほどで、「あきらめない」「絶対につかまえる」「決して許さない」という三拍子がそろった気性の強さをもって捜査に全力を尽くしていた。

それだけではない。酒はとことん強いし、体力は化け物のように強靭だった。

こんな捜査官がいれば朝鮮王朝では役人の不正が絶対にできないと思われるほどで、そんな「鉄の女」をコ・アラは颯爽と演じきっていた。

しかし、男の中に混じってハードに働いているといっても、やはり女性ならでは柔軟性を持っていて、ヨジという役は延礽君(ヨニングン)との交流にも男女の情愛を感じさせた。このあたりは難しい表現が必要だが、コ・アラはとても勘がいい女優であり、繊細な表現も巧みに使い分けていた。

延礽君を演じている主役のチョン・イルは、韓服が似合い時代劇に向いたキャラクターだが、コ・アラはそんなチョン・イルと巧みに呼吸を合わせて、朝鮮王朝時代のクラシックな人間関係を優しく再現していた。

『ヘチ 王座への道』というドラマは、王の座をめぐる戦いが常に緊迫していて、展開もスリリングでドキュメンタリーなタッチでそれぞれのストーリーが動き続けている。そうした中で、コ・アラの演技はテンポが良くて、この作品を大いに盛り上げている。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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