『ヘチ』に出てくる最悪の王子は実在したのか?

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チョン・イル主演の『ヘチ 王座への道』の序盤は、19代王・粛宗(スクチョン)の後継者争いが重要なキーポイントになっている。
このことを知るために、実際に粛宗にはどんな王子がいたのかを見てみよう。

粛宗の子供は、全部で6男2女だと言われている。その中で、6人の王子のうちの3人は早世してしまった。したがって大人まで成長した王子は3人だ。

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長男はイ・ユンで、世子(セジャ)になっている。最終的には彼が20代王・景宗(キョンジョン)として粛宗の王位を受け継いだ。

二男はイ・グム(延礽君〈ヨニングン〉)で、世子にはなれなかったが、異母兄の景宗が即位してから4年で亡くなったので、その後を継いで21代王・英祖(ヨンジョ)となった。

三男はイ・フォンで、歴史的には延齢君(ヨルリョングン)として知られている。

この王子は、性格が良くて才能も抜群だった。

実は粛宗としては、この延齢君を後継者にしたいという気持ちが強かった。そこで粛宗は、延齢君に王位を譲る手続きを歴史的にもしようとしていた。

しかし、肝心の延齢君が突然世を去ったために、粛宗は願いをかなえることができなかった。それで、長男のイ・ユンが王位を継承したというのが実態だった。

『ヘチ』でチョン・ムンソンが演じた密豊君(ミルプングン)

どんな存在?

以上のように、粛宗の王子で成人したのは3人だけだった。

しかし、『ヘチ』ではイ・タン(密豊君〈ミルプングン〉)が第1話から登場してくる。この男が最悪の王子として描かれている。
性格が悪くて暴力をふるっているし、殺人までひんぱんに犯すほどだった。

どう考えても国王になれる器ではないのだが、ドラマの中でチョン・ムンソンが演じている密豊君は、自分こそは国王にふさわしい王子だと信じ切っている。

これほど悪行だらけの人間が国王になったら、朝鮮王朝も滅ぶのではないかと思えるのだが、官僚たちの一部が密豊君を強力に押していて、密豊君も完全に王位を狙う意欲が満々だった。

そんな密豊君だが、実際の人間性がよくわからない人物だ。だからこそ、あれほどの悪人に描くこともできると言える。

一応、仁祖の長男だった昭顕世子のひ孫という記録が残っているようだが、実際にはかなり謎めいた人物だ。もし、彼の人物像が明確だったら、王家も『ヘチ』で描いた悪魔のような王子を到底許すことはできなかっただろう。

いずれにしても、『ヘチ』というドラマは、密豊君の動向がとても重要になっている。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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