『宮廷女官 チャングムの誓い』というドラマは、ストーリーが面白いだけでなく、人生の教訓がたくさん込められた時代劇だった。
特に、女優のヤン・ミギョンが演じたハン尚宮(サングン)は、まるで優れた教師のように人を導いていける人だった。
ハン尚宮は幼いチャングムにもたくさんの教訓を示していくのだが、特に印象深かったのは、チャングムに水を持ってくるように命じる場面だった。
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このエピソードは、『宮廷女官 チャングムの誓い』の第4話に登場するものだ。
チャングムはハン尚宮から水を持ってくるように言われたので、その通りに持っていったのだが、ハン尚宮からは何度もやり直すように命じられた。
どうしたらいいのか、チャングムもわからなかった。
なぜ、ハン尚宮はチャングムが持ってきた水を拒んだのか。それは、飲む人に応じて持ってくる水を変えてほしかったからだ。
ハン尚宮はこう語っていた。
「水を飲む人の体調に合わせて用意することが大切。それが料理の心得というものです。たとえ水でも器に盛られた瞬間から料理になる。料理を作るときには、食べる人への配慮が一番大切なのです」
この教えはチャングムにとっても、料理の根本を考えるきっかけになった。
以後もハン尚宮は、チャングムに対して100日間違う山菜を持ってくるように命じたりした。
こうした教えによって、チャングムは天才的な料理の腕前を身に着けることができるようになった。すべてハン尚宮のおかげだったと言えるだろう。
ハン尚宮を演じたヤン・ミギョンには品があり、表情が豊かだ。それだけにヤン・ミギョンがハン尚宮を演じると本当に説得力があった。
やはり『宮廷女官 チャングムの誓い』というドラマには演技が巧みな俳優が多かったが、その中でもヤン・ミギョンは視聴者から一番好かれたキャラクターだったかもしれない。
彼女が演じたハン尚宮は前半だけで無念の死を迎えてしまったが、その場面は本当に多くの視聴者の涙を誘った。
それも、ヤン・ミギョンというすばらしい俳優が残した名演技だった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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