韓国のtvNで12月から放送されているドラマ『哲仁王后』(原題)が好調だ。
同ドラマの制作を手掛けているのはスタジオ・ドラゴン。大ヒット作『愛の不時着』を生み出した会社だが、1月10日に放送された『哲仁王后』第10話は、視聴率が全国平均で12.8%を記録した(ニールセンコリア調べ)。これから後半に向けてさらに視聴率がアップすることが期待されている。
このドラマの主役は、シン・ヘソンとキム・ジョンヒョンだ。この2人が王宮で不思議なラブロマンスを繰り広げているのだが、どんな内容なのだろうか。
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展開が本当に奇想天外だ。現代の青瓦台(大統領官邸)で働くシェフのチャン・ボンファンの魂そのものが、朝鮮王朝の後期に存在した王妃キム・ソヨンのからだに宿ってしまうというのがメインストーリーだ。
劇中に出てくるキム・ソヨンというのは、歴史的に哲仁(チョリン)王后に該当している。その王妃を人気女優で視聴率女王とも呼ばれるシン・ヘソンが演じている。
さらに、王妃の夫となっている哲宗(チョルジョン)は、このところ人気が急上昇しているキム・ジョンヒョンが扮している。
それにしても、物語の主要な登場人物に哲宗を取り上げたのが、このドラマの斬新なところだ。というのは、彼は今までの時代劇でほとんど取り上げられたことがなかった。
歴史的には1849年に24代王の憲宗(ホンジョン)が急死してしまったことが騒動の発端だった。憲宗には息子がおらず、有力な後継ぎがいなかった。それで、田舎で農業をしていてまともに学問を学んでいなかった王族の青年が急に新しい国王に任命されたのである。それが哲宗であり、彼は混迷した後継者争いの中で「棚からボタ餅」のように誕生した王であった。
そんな王の正室である哲仁王后をタイトルにしているドラマだけに、王妃の存在感が強烈だ。しかも、シン・ヘソンが演じるボンファンの魂が王妃に宿ってしまったから、王宮は大騒動に巻き込まれてしまう。
哲宗、王妃、側室、女官たちが王宮の中で取り乱していく姿は本当に面白く、ラブコメ時代劇としても抜群の出来だ。今後の意表をつく展開から目が離せない。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
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