パク・ソジュンは本当にスケールが大きい俳優だ。現在、大人気となっている『梨泰院クラス』では、パク・セロイという魅力的な主人公を全力疾走のように演じたし、『キム秘書はいったい、なぜ?』というラブコメでは、財閥御曹司という究極のカリスマにコミカルに扮した。
とにかく、彼は休みなく突っ走っている。学生時代に兵役を終えていたので入隊による空白期間もなかったし、何でも前向きに取り組むスタイルなので、休養で作品の隙間が空くこともなかった。
このようにエネルギッシュにドラマに出てきたパク・ソジュンだが、彼のキャリアの中で異色だったのが時代劇の『花郎(ファラン)』である。
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このドラマは、たくさんのイケメン俳優がこぞって出演した青春ロマンス時代劇だった。この中で、パク・ソジュンが演じたソヌというキャラクターは人間味に溢れていた。
ヒロインをめぐってイケメンたちが恋のバトルを繰り広げる中で、ソヌはどう考えても不器用なタイプなのだが、それゆえに放っておけない魅力を備えていた。
特に『花郎』では、貧しい村で育った青年や境遇が異なる貴族の息子たちが、新羅(シルラ)時代に花郎と呼ばれる集団を形成して仲間意識を高めたのだが、人気のパク・ヒョンシクと同じようにパク・ソジュンの存在感も本当に際立っていた。
なお、このドラマのタイトルにある「花郎」とは、新羅時代の青少年たちの育成組織を表している。新羅は花郎を通して青少年たちを徹底的に鍛えて、やがては軍事大国にのし上がっていったのだ。
そういう意味で花郎というのは、将来有望な男子たちを象徴するような言葉なのだが、スケールの大きいパク・ソジュンもまた、花郎のように成長していった。
ドラマ『花郎』が制作されたのは2016年。それ以後のパク・ソジュンは、一気に頂上を目指して躍動した。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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