【韓ドラになった歴史人】『トンイ』こと淑嬪・崔氏はどんな人として歴史に名を残したのか

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韓国時代劇を飾ったヒロインの中で、特に有名なのが淑嬪・崔氏(スクピン・チェシ)である。彼女のことは、人気ドラマ『トンイ』で主役のハン・ヒョジュが「トンイ」と言う名前で扮していた。

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このドラマではとにかく、ハン・ヒョジュが明るくハツラツとしたイメージで淑嬪・崔氏を演じて鮮烈な印象を残した。史実ではどんな記録が残っているのだろうか。

19代王の粛宗(スクチョン)は張禧嬪(チャン・ヒビン)の他に淑嬪・崔氏との間にも息子をもうけた。それが後の22代王・英祖(ヨンジョ)である。英祖は庶民の生活を第一に考える政治を行い、名君としてあがめられた。彼がそうした政治をできたのは、ひとえに淑嬪・崔氏の存在が大きかった。 

淑嬪・崔氏は貧しい身分の出身であり、身分の低さゆえに苦しむことも多かった。彼女は我が子が庶民のための政治を行なえるように、幼少の頃から厳しく教育した。そうした逸話は『トンイ』の中でも描かれていた。

もともと淑嬪・崔氏は「ムスリ」という宮女の雑用を行う仕事をしていた。その過程で粛宗の目に止まった。それは、ある夜の出来事だった。

『トンイ』の淑嬪・崔氏
時代劇『トンイ』でハン・ヒョジュが「トンイ」と言う名前で淑嬪・崔氏を演じた

名君を育てた母としての評価

眠れなかった粛宗が夜中に散歩していると、熱心にお祈りをする若い女性を見た。粛宗は好奇心から彼女に「何を祈っているのか」と尋ねた。すると、女性は迷わずにこう答えた。

「私は前の王妃の身の回りの世話をしたことがありました。その後、王妃でなくなったことが悲しくて、あの方のために祈っています」

前の王妃というのは仁顕(イニョン)王后のことであり、張禧嬪の策略で廃妃になっていた。そんな彼女の安否を最後まで祈る女性の忠義心に粛宗はいたく感激し、彼女を側室の一人に招きいれた。

側室になった彼女は、粛宗の子を授かった。このとき、王室は悪女・張禧嬪の影響で混乱を極めていた。淑嬪・崔氏はそんな環境の中でも冷静に対処し、英祖をりっぱに育てた。彼女は「名君を育てた母」として後世でも高く評価されている。亡くなったのは1718年で享年48歳であった。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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