【朝鮮王朝を堕落させた悪女】「やむをえぬ悪女」と「許せない悪女」の象徴は誰なのか

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朝鮮王朝には様々な悪女たちがいたが、1人ずつ見ていくと、「やむをえぬ悪女」と「許せない悪女」に分類できる。前者は事情があって悪女にならざるをえなかった女性であり、後者は根っからのどうしようもないワルである。それぞれに該当する悪女を見てみよう。

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「やむをえぬ悪女」

●和緩王女
英祖(ヨンジョ)の娘であった和緩(ファワン)王女は、兄の思悼(サド)世子が餓死する際に暗躍した疑いが強い。それほど、兄と妹は仲が悪かったのだ。

●純元王后
純祖(スンジョ)の正妻だった純元(スヌォン)王后は、実家の安東(アンドン)・金氏(キムシ)の一族に政治権力を独占させ、王朝が腐敗する原因を作った。

●鄭蘭貞
文定(ムンジョン)王后の手先として数多くの悪行に手を染めた鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)。最後は王宮を追われて自害している。

●張禧嬪
張禧嬪(チャン・ヒビン)は、粛宗(スクチョン)の側室から王妃に昇格し、後に側室に降格となった。最後は仁顕(イニョン)王后を呪い殺す儀式をしたと告発されて死罪となった。

悪女
写真左から『オクニョ』の文定王后、『トンイ』の張禧嬪、『オクニョ』の鄭蘭貞

朝鮮王朝の様々な悪女たち

「許せない悪女」

●貞純王后
英祖(ヨンジョ)の二番目の正妻だった貞純(チョンスン)王后は、思悼世子の餓死事件にも関与し、正祖(チョンジョ)の政敵として暗躍した。数々の虐殺事件も起こしている。

●貴人・趙氏
仁祖(インジョ)の側室だった貴人(キイン)・趙氏(チョシ)は、昭顕(ソヒョン)世子を毒殺した張本人だと見られている。あまりに性格が悪く、悪行で王朝を大混乱させた。

●金介屎
光海君(クァンヘグン)を裏で支えていた金介屎(キム・ゲシ)は、国王の兄弟や対抗勢力の高官たちを次々に死に至らしめた。最後は斬首された。

●文定王后
中宗(チュンジョン)の三番目の正妻だった文定(ムンジョン)王后は、継子だった仁宗(インジョン)を毒殺した疑いが濃い女性だ。摂政を行ったときは、多くの民衆を見殺しにした最悪の女帝だった。

この中で総合的に判断していくと、「やむをえぬ悪女」の象徴が鄭蘭貞と張禧嬪であり、「許せない悪女」のワースト1が文定王后だ。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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