テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『宮廷女官チャングムの誓い』を見ていると、朝鮮王朝時代の王宮の中が垣間見られて興味深い。
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当時は、年齢や階級による上下関係を規定した儒教思想が重んじられていて、礼儀に対する考え方がとても厳しかった。
王宮でも女官たちが上の階級にあたる尚宮(サングン)たちに出会うと、必ず立ち止まってお辞儀をしなければならなかった。また、王族に謁見(えっけん)する際には、最も格式の高い礼(=クンチョル)を捧げる。
礼の仕方は直立の状態で右手を上にして両手を重ね、左のひざを曲げる。そのあと右ひざを曲げながらひざまずいて礼をするというものだった。こういうシーンは、『宮廷女官チャングムの誓い』でもよく見られる。
また、ちょっとした立ち話の際にも女官たちはチョゴリの中に両手を入れている。この姿はドラマの中での日常茶飯事だ。
実際、尚宮以上の階級にいる女官たちは単衣(タンイ)と呼ばれる前垂れのあるチョゴリを着るので、その前垂れの中に両手を入れるのだ。さらに言うと、尚宮より下の階級の女官も、宮中での仕事時に着る白いエプロンの下に両手を入れたりしていた。この姿勢はむやみに両手を人前で出さないことを意味していて、女性ならではの礼節を表現するものだ。
このことは、自分より階級の高い人にだけ行うというよりは、女性の一般的な立ち居振舞いだったのである。
根拠になっていたのは、儒教思想が持っていた男尊女卑的な概念であったと言えるだろう。特に、女性が素肌をさらすことが敬遠されていた。それゆえ、高貴なお方は外出する際にも、長衣(チャンオッ)というマントのようなもので頭を覆い、その姿が他人から見られないように配慮してといた。それが外出時のエチケットだった。
そういう風潮の中で、女官の場合を言うと、チョゴリの中に両手をしっかり入れて外に出さないことが、行儀が良いとされたのであった。それだけ、女性にとって制約が多い世の中だった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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