【歴史コラム】『ポッサム』でチョン・イルが演じる孫の祖父は何の罪に問われた?

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テレビ東京で放送中の『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』。10月31日の第16話では、チョン・イルが演じるバウが、両班(ヤンバン)の身分を取り戻す過程が描かれていた。彼は正式に本名のキム・デソクとなり、没収されていた財産と屋敷も取り戻すことができた。このように、第16話は『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』にとっても大きな転換点となった。

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もともと、キム・デソクはキム・ジェナム(金悌男/仁穆〔インモク〕王后の実父)の孫であった。そこで、祖父のキム・ジェナムが陰謀によって謀反の罪を着せられた事件を史実で振り返ってみよう。

光海君(クァンヘグン)を支えていた最大派閥の大北派を仕切っていたイ・イチョム(李爾瞻)は、光海君の異母弟である永昌大君(ヨンチャンデグン)を排除できる口実を探した。そんなときに起こったのが、名門出身の庶子たちが関与した強盗殺人事件だった。

1613年当時、7人の庶子が集まって「竹林の七賢人」をきどりながら酒を飲んで騒いでいた。そうした迷惑行為が多かったので、彼らは近所で発生した強盗殺人事件の嫌疑をかけられて逮捕されてしまったのだ。

それを知ったイ・イチョムは、庶子7人をうまく利用することを考えて、「言うとおりにすれば命を助けてやる」と持ち掛けた。その結果、庶子7人は「キム・ジェナムが永昌大君を王位に就ける計画を練っていた」という、ありもしない嘘の証言をした。

チョン・イルが演じるバウはついに両班として名誉を回復された(写真=© MBN All rights reserved)

完全に回復した名誉

このことが大問題となり、キム・ジェナムは死罪となり、一族は滅ぼされた。さらに、後に永昌大君も殺され、仁穆王后は離宮の西宮(ソグン)に幽閉されてしまった。

こうした史実を『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』は物語によく生かしていて、キム・デソクがバウと偽名を使って盗っ人にならざるをえなかった事情を前半で扱っていた。 

しかし、キム・デソクの名誉は完全に回復された。これから『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』も後半となって、キム・デソクの活躍が見られることだろう。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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