『哲仁王后』の豆知識⑦哲宗の「親政」と大妃の「垂簾聴政」とは何か

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後半を迎えた『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』。権力闘争が激しくなっていくが、ここで大きな題材になっていたのが「垂簾聴政(すいれんちょうせい)」と「親政」である。

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この政治用語はどういう意味なのだろうか。

朝鮮王朝で言うと、国王が自ら政治を仕切っていくのが親政であり、歴史的にも多くの国王が実際に親政を行なってきた。いわば、最もノーマルな政治形態だと言える。

しかし、国王が幼かったり病気がちであったりすると、国王が直接政治を行なえない場合が出てくる。このときに行なわれるのが垂簾聴政なのである。日本では「摂政(せっしょう)」と言われてきた。

垂簾聴政の「垂簾」というのは、「簾(すだれ)を垂(た)らす」という意味だ。国王の後ろか横に簾を垂らして奥の人物が国王に指図をしていく、という形態となる。

垂簾聴政を諦めた大王大妃と親政を始めた哲宗(写真=© STUDIO DRAGON CORPORATION)

終盤に向けて高まる存在感

『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』の前半では、ペ・ジョンオクが演じる大王大妃(テワンテビ)が王族最長老女性として権力を持ち、自分が傀儡(かいらい)政権の国王に指名した哲宗(チョルジョン/キム・ジョンヒョンが演じている)に対して垂簾聴政を実施していた。

しかし、朝鮮王朝の政治は国王の絶対統治が原則である。病気でもなく幼くもない哲宗がいつまでも大王大妃の垂簾聴政を受けていたのはあまりに異常事態であった。それなのに、垂簾聴政に固執していたのが大王大妃の傲慢なところだった。

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© STUDIO DRAGON CORPORATION

それに我慢ができなくなり反旗を翻した、というのがドラマ中盤以降の哲宗の立場であった。仕方なく、大王大妃も哲宗の自立を認めざるをえなくなり、ついに垂簾聴政を諦めた。こうして、哲宗が自ら統治する親政が始まったのだ。

これは、哲宗にとって重大な転機であった。それまでは常に大王大妃に指図された通りに国政を行なわなくてはならず、自分が「操り人形」であることを自覚させられた。それはあまりにも情けない姿だった。

そんな状態から脱却した哲宗。『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』は終盤に向けて哲宗の親政が本格的に始まって彼の存在感が高まっていく。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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