【ドラマと史実の違い】『七日の王妃』の晋城大君はどんな男だったのか

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『七日の王妃』は非常に面白い。演じる俳優たちの演技もとてもいい。しかし、史実に忠実に作られたドラマではない。かなりフィクションが入った時代劇なのである。

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その中で、最も史実と違うのは、ヨン・ウジンが演じている晋城大君(チンソンデグン)の描き方だ。彼は燕山君の廃位を狙うクーデターに加わった人物のように扱われているが、実際の歴史では、クーデターが起こったときに日和見に徹していた。それどころか、クーデターに反対する姿勢まで見せていたのだ。

そのあたりを朝鮮王朝の正史『朝鮮王朝実録』で明らかにしてみよう。

クーデター派は、王宮に攻め込む前に晋城大君の屋敷を訪ねて、自分たちの挙兵について詳しく説明した。そして、挙兵が成功したときには新しい国王として晋城大君をお迎えしたいと力説した。

しかし、晋城大君は表情が曇っていた。実は、自分が祭り上げられることに対して晋城大君は拒否反応を見せたのだ。彼は完全に消極的で、燕山君の追放計画に賛成の意思表示をしなかった。むしろ、やめてほしいと願っていたほどだ。

それでも、クーデター派は必死になって説得した。結局、晋城大君は最後まで首を縦に振らなかった。

ドラマでは晋城大君をヨン・ウジンが演じた(Licensed by KBS Media Ltd. © 2017 KBS. All rights reserved
ドラマ『七日の王妃』より。DVD好評リリース中・U-NEXTにて見放題配信中)

ドラマとは別人のような男

仕方がないので、クーデター派は晋城大君の賛成を得られないまま王宮への進撃を開始した。そして、計画どおりに燕山君を廃位にすることに成功した。

すぐに、クーデター派は大妃(晋城大君の母)の許可を得て、主導者の1人であった柳順汀(ユ・スンジョン)が晋城大君の屋敷に向かった。

そして、すべての状況を説明した。この段階になっても、晋城大君は拒絶する姿勢を変えなかった。

「私に国王が務まるとは、どうしても思えない」

このように回答して、晋城大君は優柔不断な態度を取り続けた。

柳順汀は本当に困ってしまった。

もし、晋城大君が王位就任を受諾してくれなければ、クーデターそのものの正当性が得られないのは間違いなかった。単なる叛逆になってしまう。それだけに、どうしても晋城大君には王位に就いてもらう必要があった。

辛抱強く説得が続いた。その末に、ようやく晋城大君の許可を得ることができた。

ここまでクーデター派を困らせた晋城大君。史実の彼はドラマとは別人のような男であったと言える。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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