『風と雲と雨』で最大のクセ者となる興宣君とは何者なのか

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『風と雲と雨』の第4話で登場した興宣君(フンソングン)。演じているのは、時代劇には欠かせない名優のチョン・グァンリョルだ。

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『風と雲と雨』は主役のパク・シフが颯爽と易術師チェ・チョンジュンを演じているのだが、この主人公の最大のパートナーおよびライバルになるのが興宣君だ。

彼は朝鮮王朝後期の歴史で超が付くほどの重要人物になっていくのだが、史実では、果たしてどんな人だったのだろうか。

興宣君は本名が李昰応(イ・ハウン)で、1820年に生まれている。

彼は王族の一員で、21代王・英祖(ヨンジョ)の玄孫にあたる立場であった。

とはいえ、生活環境はよくなかった。両親が10代のときに亡くなったので、たいした後ろ盾を得られなかった。

興宣君をチョン・グァンリョルが演じている(写真提供=© 2020 TV Chosun)

興宣君の大きな夢

こうなると、王族といえでも境遇が辛い。経済的にも恵まれず、支援者を探すような生活に明け暮れていた。

23歳のときに興宣君を名乗ることを許されたが、以後も重職を得ることはできなかった。

そんな彼が手にした唯一の救いは、二男の命福(ミョンボク)がとても優秀だったことだ。

いつしか、興宣君は命福を国王にさせたいという壮大な夢を持つようになった。

当時、哲宗(チョルチョン)には後継ぎとなる息子がいなかったので、まったく可能性がないわけではなかった。

それゆえ、興宣君は息子を国王にするための人生目標を掲げて様々に動いた。その頃、朝鮮王朝の政治は安東(アンドン)・金氏(キムシ)が牛耳っていた(『風と雲と雨』では壮洞〔チャンドン〕・金氏〔キムシ〕という一族に変えられていた)。

ゆえに、興宣君は安東・金氏に媚びを売って、自らの一家が政治権力につぶされないように立ち回った。そのためには、わざと無能なふりをして警戒されないように用心したのであった。こうして興宣君は徐々に大きな夢を現実に近づけていった。

その後の興宣君の動向については、『風と雲と雨』の進行につれて紹介することにしよう。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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