朝鮮王朝の19代王・粛宗(スクチョン)といえば、2010年に韓国で放送されたハン・ヒョジュ主演の時代劇『トンイ』で、俳優チ・ジニが演じていた人物だ。
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そのチ・ジニ以外にも、2013年『チャン・オクチョン-張嬉嬪-』のユ・アイン、2016年『テバク~運命の瞬間(とき)~』のチェ・ミンス、2019年『ヘチ 王座への道』のキム・ガプスといった俳優たちが粛宗に扮している。
そんな粛宗は実際の歴史ではどんな王だったのだろうか。
粛宗は1661年に18代王・顕宗(ヒョンジョン)の長男として生まれた。彼が王として即位したのは顕宗が亡くなった1674年で、当時は13歳だった。
幼いころに父親の顕宗から帝王学を徹底的に叩き込まれた粛宗は、成人すると庶民の生活を安定させるために農地の整備をしたり、新たな貨幣を作ることで経済の発展を促したりしていた。
こうして、粛宗の行なった政治改革は、弱体化していた当時の朝鮮王朝の国力を回復させた。
さらに、防衛の拠点を次々と国境に建てて外部からの侵略に対応したことで、文化や暮らしを向上させた。
以上のように、王として立派に手腕を発揮していた粛宗だが、私生活では女生とのトラブルが多かった。その女性の中には、『トンイ』でイ・ソヨンが演じた「朝鮮王朝三大悪女」の1人として有名な張嬉嬪(チャン・ヒビン)もいた。
張嬉嬪は女官として宮中に入ってきた女性だが、粛宗も一目ぼれするほどの美貌を持っていた。
1688年に粛宗の息子を産んだことで有利な立場になった張嬉嬪。彼女の頼みを聞いた粛宗は、妻である仁顕(イニョン)王后を廃妃にしてまで、張嬉嬪を王妃にした。
しかし、彼女の幸せは淑嬪・崔氏(スクピン・チェシ)が王宮に入ってきたことで一変してしまう。
『トンイ』の主人公としてハン・ヒョジュが演じた彼女を寵愛した粛宗は、その淑嬪・崔氏頼みで張嬉嬪を降格させ、仁顕王后を王妃に復位させた。
王妃の座から転落してしまった張嬉嬪は、自分の息子が王になれなくなることに焦り、仁顕王后に呪いをかける呪詛(じゅそ)を行なってしまう。それが原因かどうか不明だが、1701年に仁顕王后は世を去ってしまう。
その後、淑嬪・崔氏の告発で呪詛を行なっていたことがバレてしまった張嬉嬪は、粛宗から死罪に処された。
以上のように、女性に関するトラブルを起こした粛宗。その数は朝鮮王朝27人の中で断トツである。彼はまさにわがままな王だったと言えるだろう。
文=大地 康
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