『トンイ』が生きた時代の朝鮮王朝のリアル。どんな時代だったのか

2020年07月28日 ヒストリア #トンイ
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7月17日から韓流プレミアで放送されている韓国時代劇『トンイ』。このドラマの時代背景を知るには、チ・ジニが演じている粛宗(スクチョン)を理解することが第一だ。そこで、『トンイ』をより一層楽しく見るために粛宗についてここで学んでいこう。

1674年から1720年まで、朝鮮王朝19代王の粛宗が統治した時代は、約500年に及ぶ朝鮮王朝の中で最も権力闘争が激しかった。『トンイ』では、そうした時代背景を舞台にドラマが進んでいく。

粛宗の治世は46年にわたっていて、朝鮮王朝の中でも21代の英祖の52年に次いで長い。それだけ長い間、王として君臨していただけに、彼の影響力はとても大きかった。

まず、粛宗が王位に就いた時、朝鮮王朝は日本や清から受けた侵略の爪痕が大きく残っていた。

そこで、粛宗は社会的秩序の確立を急ぎ、農業と商業の発展に力を注いだ。同時に、軍事力の強化もはかり、他国の侵略を寄せ付けなかった。

こうして粛宗統治の朝鮮王朝では、民心は安定し経済的にも余裕を持つことができた。そんな多くの偉業の裏には粛宗の王としての強いカリスマ性があった。

名君として崇められる粛宗。その一方で、彼は王宮の女性たちとの間で何かと問題を起こした。

王として高く評価されている粛宗

彼には6人の妻がいたが、特に問題があったのが張禧嬪(チャン・ヒビン)だった。彼女は一介の宮女の身分から策を弄して粛宗に近づき、正室を追い出して王妃にまでなった。

しかし、最後は自らの策略に溺れて死罪となってしまう。歴史的に言っても、韓国三大悪女の1人に数えられている。

そして、張禧嬪に代わり粛宗の寵愛を受けたのが淑嬪(スクピン)・崔(チェ)氏だ。彼女こそが、ハン・ヒョジュが演じた主人公トンイだ。

彼女が朝鮮半島の歴史上で名高いのは、なんといっても後に英祖の母親になったことだ。英祖はドラマ『イ・サン』にも登場する王なので、よく知っている人も多いだろう。つまり、粛宗と英祖(ヨンジョ)を繋いだのがトンイなのである。

粛宗は、1720年に59歳でその生涯に幕を下ろす。後世では、粛宗は王権を強化して民心を安定させた王として高く評価されている。

京畿道(キョンギド)にある西五陵(ソオルン)にある粛宗の墓(写真出典=韓国観光公社)

7月17日から放送されている韓国時代劇『トンイ』では、そのあたりにも注目してじっくりと見てみよう。

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