テレビ東京で放送中の『不滅の恋人』では、ユン・シユンが演じているイ・フィ(ウンソン大君)が反逆罪の濡れ衣を着せられてしまう。こういう場合は、史実でどのように処罰されるのだろうか。
朝鮮王朝では刑罰が細かく規定されていたが、一番重い罪とされていたのが反逆罪である。王朝の転覆をはかろうという重大な罪なので、処罰も厳しかった。
まず、反逆罪に問われた場合、本人は八つ裂きの刑になる。手足を牛や馬にひかれてバラバラにさせられてしまうのだ。そのうえで、首は市中にさらされる。最大の恥辱である。
それだけではない。親族も罪が重い。
反逆罪になると本人の父親、兄弟、息子が処刑される。たとえば息子が未成年なら成人に達したあとで処刑されてしまう。このように男性は抹殺されるのだ。
女性はどうなるのか。
罪人の母親、妻、娘は奴婢にさせられる。最下層の身分に転落だ。
しかも、奴婢になったうえに、高官たちに仕えることになる。たとえ両班(ヤンバン)として贅沢な暮らしをしていた人たちも、今度は使用人として重労働をさせられる。これは辛いことだった。
このように、反逆罪になると、本人ばかりでなく、一族の人たちも運命が変わる。それだけ反逆罪は罪が重かったのである。
それでは、王族が反逆罪に問われると、どうなるか。
さすがに八つ裂きになることはないのだが、いったんは島流しにさせられたあとで、毒薬を呑まされて死罪になっていた。
過去にも、そうやって死罪になった王族が何人もいた。『不滅の恋人』のイ・フィは果たしてどうなるだろうか。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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