『太陽を抱く月』でキム・スヒョン演じるイ・フォンは実在したのか

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韓ドラ時代劇『太陽を抱いた月』でキム・スヒョンが演じる主人公イ・フォンは、ドラマの中にのみ存在する架空の世子(セジャ)だ。

世子とは、王世子(ワンセジャ)の略。日本語では王子を指すが、同時に正統な王位継承者を意味する。

世子に選ばれるのは、王とその正妻である王妃の間に生まれた嫡子長男というのが一般的だ。ただ、朝鮮王朝の歴史を振り返ると例外も存在する。

例えば、正妃が男子を生まなかった場合、側室との間に出来た子を王に据える場合があった。第23代王・純祖(スンジョ)は、父王・英祖(ヨンジョ)と側室である綏嬪朴氏(スビン パクシ)の間に生まれた子だ。

また、側室が王妃よりも先に男子を産んだ場合、側室が正妻である王妃の座に収まり、結果的にその息子を世子として定める場合がある。

『太陽を抱く月』でキム・スヒョンが演じたイ・フィは架空の世子だ

言い変えれば、王妃の地位にいる人物を入れ替えることで、“正統な王子”であるという体面上の辻褄を合せるのである。

非常にまれなケースだが、第19代王・粛宗(スクチョン)と側室・張禧嬪(チャン ヒ ビン)、そして息子・景宗(キョンジョン)の関係が、これに当てはまる。

ちなみに、王の弟が王位後継者となる場合は世弟(セジェ)、孫の場合は世孫(セソン)と呼ばれた。第21代王・英祖(ヨンジョ)が前者にあたり、後者には第22代王・正祖(チョンジョ)などが含まれる。

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