ドラマ『100日の郎君様』を見ていると、朝鮮王朝時代のさまざまな風習や出来事が出てくる。それもまた、当時の歴史を知るうえでとても興味深い。
第3話では、ウォンドゥク(ド・ギョンス)とホンシム(ナム・ジヒョン)が華麗な結婚式を挙げるシーンが出てくる。
当時の歴史を振り返ると、結婚式の最高峰は、なんといっても王と王妃の婚姻だった。そこで、その内容を詳しく見てみよう。
王家では、結婚式のことを「国婚(クッコン)」と呼んでいた。
この「国婚」には、王妃を迎える儀式、世子の妻を迎える儀式、王子が妻を迎える儀式、王の娘が嫁に行く儀式の4種類があった。
もちろん、王妃を迎える儀式が最高の格式で行われた。
実際、王と王妃の結婚式は主に6段階に分かれていた。
最初が納采(ナプチェ)だ。これは、王の使者が王妃になる女性が住む場所に行って、婚姻が決まったことを伝える儀式である。
次が、納徴(ナプチン)。婚姻が決まったことを祝し、王家が出した贈り物を王妃になる女性に届ける儀式だ。
3つ目が告期(コギ)。王家で吉日を選び、その日に嘉礼(カレ/最高級の礼式のこと)を行うことを決める。そして、その日時を王妃になる女性に伝えるのが「告期」である。
その次が冊妃(チェクビ)。王妃に対して冊封(さくほう/王妃や世子を正式に決めること)を伝える儀式のことだ。
さらに、親迎(チニョン)。王が自ら王妃が住む場所に行って彼女を迎えて王宮に連れ帰る儀式だ。
最後が同牢(トンネ)だ。王と王妃が先祖に結婚を報告して祝いの膳を囲む。そのうえで、2人は初夜をともにする。
以上の手順で「国婚」が進められる。
実際、王と王妃の婚姻ともなると、数カ月にわたって国をあげてのお祭り騒ぎとなる。それほど王と王妃の結婚は重大な国家事業だったのだ。
ド・ギョンスが演じるウォンドゥクは、元はイ・ユルという世子だった。もし彼が国王になって結婚式を挙げれば、最高峰の「国婚」を行うことになるのだが……。
(文=康 熙奉/カン・ヒボン)
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