『トンイ』で張禧嬪が「世子の交代」を心配したのは歴史的な先例があるからなのか

このエントリーをはてなブックマークに追加

テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『トンイ』は、10月7日の第47話でトンイこと淑嬪・崔氏(スクピン・チェシ/演者ハン・ヒョジュ)が産んだ王子クムの優秀さが実証された。粛宗(スクチョン/演者チ・ジニ)がビックリしてしまうほどクムは“大学”や“中庸”に精通していた。

【関連】『トンイ』韓国放送時に世間を賑わせた「珍事件ベスト5」

通常、子供であれば儒教の初歩教科書『小学』を勉強するのだが、クムは7歳にしてすでに大人顔負けの学識を備えていた。その姿を見た粛宗は、我が子の優秀さに改めて感動した様子だった。

そのことを知って一番危機感を募らせたのが張禧嬪(チャン・ヒビン/演者イ・ソヨン)だ。彼女が産んだ世子はクムより6歳年上なのだが、完全に学識では負けていた。こうなってくると、張禧嬪としては「もしかしたら世子を交代させられるのではないか」と心配になってしまう。

それでなくとも、世子は世継ぎを持つことが難しいほどに身体が弱かった。このように不安材料がたくさんあったので、張禧嬪は世子の交代を最も恐れたのだ。

実際に朝鮮王朝には歴史的な先例があった。それは、3代王・太宗(テジョン)が、長男がなっていた世子をいきなり交代させた事件だ。

『トンイ』
粛宗(演者チ・ジニ)と張禧嬪(演者イ・ソヨン)

朝鮮王朝のしきたり

長男の素行の悪さを指摘して、太宗は長男から三男に世子を変えてしまった。その末に三男が国王に就いたという前例があった。そうやって王位に就いたのが、4代王・世宗(セジョン)である。

彼は朝鮮王朝最高の名君と称されており、ハングルの創製という金字塔を打ち立てている。そういう意味で、世子の交代は大成功だったのだ。その先例があまりにも有名だったので、張禧嬪としても、自分の息子が世子の交代という運命になるのではないか、と憂慮したのだ。

朝鮮王朝は先例をとても大事にするしきたりを持っていて、張禧嬪が極端に心配したのも無理がない。今後の『トンイ』では、世子の座をめぐって張禧嬪の焦燥が描かれていくことになるだろう。

文=康 熙奉(カン・ヒボン) 

【関連】歴史上のトンイの晩年とは? ドラマと異なる「粛宗とのその後」

【関連】ハン・ヒョジュが語った『トンイの真実』「私が選ぶ名場面」

【関連】【トンイの真実】美化されたドラマ。本当は恐ろしかったトンイの「裏の顔」

前へ

1 / 1

次へ

関連記事


RANKINGアクセスランキング

写真


注目記事