俳優チュ・ヨンウが『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』と『トラウマコード』のヒットに支えられ、今後の活躍を予告した。熱い関心と話題の中で新たな気づきを得た彼は、さらなる挑戦と成長に向けた決意を語った。
【写真】『オク氏夫人伝』と『トラウマコード』のチュ・ヨンウに“沼落ちする人続出”
ソウル・江南区のカフェでドラマ『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』の主演俳優チュ・ヨンウの終映インタビューが行われた。
『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』は、名前も身分も夫もすべてが偽物だった外知部(ウェジブ/裁判・訴訟の際の弁護人)オク・テヨン(演者イム・ジヨン)と、彼女を守るために命まで懸けた芸人チョン・スンフィ(演者チュ・ヨンウ)の熾烈な生存詐欺劇を描いた作品だ。
チュ・ヨンウはこの作品を送り出したときの余韻についてこう語っている。
「不思議なほど愛着が湧いて未練も残るし、ずっと記憶に残ると思う。撮影現場が恋しくなるだろう。一視聴者やドラマのファンとしても本当に楽しめた作品だ。自分の作品を見て泣いたことはなかったのに、今回はたくさん泣いた」
1月26日に最終回を迎えた『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』が13.6%という自己最高視聴率で幕を閉じた一方で、『トラウマコード』が配信直後から世界的なヒットを記録し、チュ・ヨンウはこれまでになく熱い休日を過ごしたという。そのことに関して次のように語っていた。
「これまでとは違い、多くの人が関心を持ってくれるのが初めてのことで、慎重になってしまい、外には出ずにジムにだけ行った。ジムで運動しているときに声をかけられて、気づいてもらえた。まだ夢を見ているような気分だ。とてもありがたいし、不思議だけど、少し怖くもある。これからは何をするにしても責任感を持って、演技も作品も、私生活もきちんとしなければならないと考えるようになった」
作中でチュ・ヨンウは、スンフィとソン・ギュジン(演者ソン・ドンイル)の長男ソン・ユンギョムという1人2役の演技に挑戦したことに関して彼はこう話していた。
「最初に1人2役と聞いたとき、正直なところプレッシャーも大きかった。2人の違いを明確にして、視聴者が混乱しないようにすることに重点を置いたが、先輩方の助けを借りながら、最終的には立っているだけ、歩いているだけでも“スンフィだ” “ユンギョムだ”と分かるようにディテールを生かすことに努力した」
続けて、「視聴者の方々が“スンフィとユンギョムの違い”という動画を作ってくれたり、細かく分析してくれたりするのを見て、改めて刺激を受け、モチベーションになった。次にこういう役を演じる機会があれば、もっと上手くやりたいという欲が湧いた」と語していた。
この1人2役の演技には、共演者のイム・ジヨンの助けが大きかったという。そのことに関して、チュ・ヨンウは次のように語った。
「リーディングの前に、ジヨン姉さんがマネージャーを通じて連絡をくれた。アーティストカンパニーの練習室のようなスペースで会って、演技について話し合い、台本についてもたくさん語り合った。僕は2人の違いを出したくて、声のトーンや表情や呼吸について話したが、姉さんは『あまり大きな違いを意識せずに、まるで別々の作品の2人のキャラクターを演じるつもりでやればいい。スンフィは私を女性として愛しているけど、ユンギョムは女性として見ていない。だから私を見るときの目つきが違うだけで、視聴者は分かるよ』とアドバイスしてくれた。それが実際に視聴者に伝わったので本当に感謝している」
この1人2役の演技には、彼の実の弟であり新人俳優のチャ・ジョンウの存在も大きかった。キャラクターが対面するシーンで代役として共演したのだ。メイキング映像では、チュ・ヨンウとチャ・ジョンウが声まで似ていることにイム・ジヨンが驚く様子も見られた。
それについてチュ・ヨンウは、率直な気持ちを次のように語っていた。
「弟が現場に来たときは本当に緊張した。いい兄としての姿を見せたかったし、弟は僕を慕っていて、すごく真似をするので失敗したくなかった。何かしら得るものを持ち帰ってほしかった」
彼はさらに「最初は別の方が対役としていたが、監督が『CG処理が難しい』と言って、僕に『周りに似ている人はいないか』と聞いてきた。『多分いないと思いますが、弟はいます。演技もします』と言ったら、『なんで連れてこなかったんだ、なぜ言わなかったんだ』と言われた(笑)。それで弟に相談し、彼もありがたく参加することになった。とても幸せな経験だった』と語った。
続けて、「弟のほうが僕以上に熱心に準備していたと思う。スンフィとユンギョムが向かい合うシーンでは、互いに行き来しながらセリフを言う必要があり、2人でタイミングを完璧に合わせなければならなかった。だからスンフィとユンギョムのセリフをすべて覚えなければならず、大変だったはずだけど、上手くやってくれて感謝している」と満足げに話していた。
1人2役だけでなく、チュ・ヨンウは作中で語り手のシーンのために、歌と踊りにも挑戦したことについて「約3か月間準備した。週1回通って歌と踊りを習いながら、ユンギョムとしての武芸や乗馬、弓術も学んだ。二度とできない経験だと思うと本当に楽しかった。歌と踊りが得意ではないけれど好きだし、何かを学ぶのはいつでも歓迎だ」と語っていた。
しかし、その一方で「楽しかったけど、普通の歌ですら難しいのに、韓国の伝統音楽を歌うとなるとさらに大変だった。あの道の匠と呼ばれる人々の技は、たとえ個人レッスンを受けたとしても簡単に真似できるものではない。最善を尽くしたけれど、やはり悔しさが残るので、もし次の機会があればもっと上手くやりたい」と述べたのだった。
劇中でユンギョムはテヨンと婚姻を結んだものの、実は性的少数者であることが明らかになり、意外な展開を見せた。
そのことに関してチュ・ヨンウは「表現する際には慎重にはなったが負担には感じなかった。脚本家が台本にとても自然に溶け込ませてくれていたので、そのまま演じればよかった。デビュー作がの『You make me Dance~紅縁』はBLジャンルだが、大切なデビュー作であり誇りに思う作品だ」と述べた。
さらに、「監督が打ち上げの席で話してくれたが、もし性的少数者という設定がなかったらそのまま三角関係になってしまい、視聴者にとってスンフィとオク・テヨンの切ないロマンスの邪魔をするキャラクターになりかねなかった。だからこそ取り入れた設定だと言っていた。物語の主軸となる設定ではないので、特に負担には感じなかった」と説明した。
チュ・ヨンウは『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』のキャスティング秘話について、こう語っていた。
「台本は会社に送られた。自分が単独で選んだことは一度もなく、会議をして各自の意見を総合して決定した。まず、脚本がとても良くて面白く、楽しい昔話を読んでいるような感覚だった。自分は共演する先輩方から大きな影響を受けて学ぶタイプだ。イム・ジヨン先輩のファンでもあり、とても素晴らしい女優なので、一緒に演じながら学びたいと思った。監督の作品も好きだったし、ぜひ一度時代劇に挑戦したかった。演技面で挑戦できる要素も多く、出演を決めた」
さらに、『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』のイム・ジヨン、『トラウマコード』のチュ・ジフンと、名だたる先輩たちと続けて共演したチュ・ヨンウは、「自分の演技が先輩方の演技や作品、キャリアに影響を与えてしまわないかという心配は常にあったし、今でもある。でも、それにもかかわらず、皆さんから『よくやった』『お疲れさま』『ありがとう』という言葉をたくさんいただいた」と伝えた。
ヒット作で大勢の仲間入りを果たしたことで、チュ・ヨンウの家族までもが話題の中心となった。新人俳優である弟に続き、両親もまた芸能人であることが注目を集めたのだ。
チュ・ヨンウの父は1990年代のトップモデルであるチュ・スンイル、母はファッションモデルのカン・ソンジンであると知られている。
チュ・ヨンウは、初めて俳優の道を歩むことを決意した際の両親の反応について、「反対はされなかった。自分でも多少の不安はあったが、『両親も内心、ある程度はそう考えていたのかな?』と思うほど、快く受け入れてくれて、あらゆる面で本当にたくさん支援してくれた。当時、家族は忠清道に住んでいたのに、その話をしてから1カ月後には、僕のためにソウルへ引っ越してくれた」と述べたのだった。
弟が演技を始めることになったのも、このような家庭環境の影響があったという。チュ・ヨンウは「弟が僕のことを好きで、よく慕ってくれていた。もともとはモデルを夢見ていたんだ。ハンリム芸術高校のファッションモデル科を卒業して、実際にランウェイにも立った。でも僕が演技をする姿がかっこよく見えたみたいで、受験を始めて、今はセジョン大学に在学中だ」と明かした。
また、現場で弟にアドバイスをしたときのエピソードについて、こう語った。
「アドバイスするのは慎重になる。やっぱり家族だから、弟が傷ついたり、必要以上に悩んだりしないか心配で、あまり言わないようにしている。でも現場ではなるべく助けようとしたんだけど、ジヨン姉さんが隣で『まず自分のことからちゃんとしなよ。自分がしっかりやってから助けてあげな』って言ってきて、笑ってしまった」
ただし、人気と関心が必ずしも肯定的な方向に向かったわけではなかった。チュ・ヨンウのSNSフォロワーが急増するにつれ、彼のフォローリストが注目を集め、社会的な問題を引き起こした人物をフォローしていることが広まり、世論の厳しい批判を浴びることとなった。そのことについて、チュ・ヨンウは次のように説明していた。
「怖さもあるが、僕は学ばなければならないこと、知るべきことがたくさんあり、思っていた以上に責任を負わなければならないと感じている。多くの方々が関心と愛を注いでくださる分、言葉や行動の1つ1つに慎重になろうと考えている」
また、「実は僕はショートフォームのプラットフォームに関心があり、その方々をフォローしていて、それを解除しなかっただけで、特別な意図はなかった。しかし、それによって不快に感じられた方がいらっしゃったのなら申し訳ない。今後は、先ほど申し上げたように、自分の言動すべてにより慎重になり、責任感を持つよう努める」と頭を下げた。
2021年にデビューしたチュ・ヨンウは、4年という短い期間でさまざまな作品に出演し、多彩な演技の変身を見せてきた。彼はそのことに関して次のように語っていた。
「本当に感謝すべきことであり、祝福されたことだ。途中で検事にもなり、1970年代の全羅道にも行ってみた。獣医として生きながら二度と会えないであろう同僚たちとも出会い、ヘリコプターから飛び降りる経験もした。こうしたことは、この職業でなければ経験できないものだと思う。だからこそ、これは祝福されたことだと感謝している」
さらに自身の演技観についてもこう語っていた。
「僕はまだ地位を確立した先輩たちのような立場ではなく、今は学び、関係を築いていく段階にあるからこそ、作品を選ぶときには『これをしながら学ぼう』という気持ちで臨んでいる。以前、演じたキャラクターを“武器庫”や“経験値”と表現したことがあるが、今はそれを1つずつ積み上げていきたい。新しいキャラクターを演じるときに、以前のキャラクターから要素を取り入れたり、組み合わせたりすれば、キャラクター分析がよりスムーズに進むのではないかと思う。そうした積み重ねが演技力の向上につながると考えている」
また、「演技とは人を学ぶことだと言うだろう。僕は『トラウマコード』のヤン・ジェウォンというキャラクターを演じながら、自分にもコメディの要素があることに気づいた。実は僕の顔つきは、同世代から見るとあまり穏やかな印象ではない。『学校2021』で恋愛演技をしたとき、相手役を愛おしそうに見つめると、監督から『怒ってるのか?』と聞かれたことがあった。でも今回の『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』では、僕の目つきをとても気に入ってくださり、『僕も愛情深い目で見つめることができるんだ』と自信がついた」と率直な思いを語った。
さらに、次回作としてNetflixドラマ『広場』とtvNの『牽牛と仙女』への出演が決定していることに関して、次のように語っていた。
「『広場』では、ジャンルが持つ雰囲気から生まれるキャラクター性が異なる。『牽牛と仙女』では、これまで強い役を多く演じてきたが、今回の役はすぐにでも倒れそうな繊細なキャラクターだ。水に落ち、私より小さな子に助けられるような展開がある。ロマンス要素もあり、しっかり表現できるよう頑張りたい」
今年の目標ついて聞かれたチュ・ヨンウは、「『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』と『トラウマコード』で少し顔がむくんでいたシーンがあったので、外見管理にももっと気を配る(笑)。そして、私の演技を見た人が『一生懸命やっているな』と感じてくれるようになりたい」と笑顔で締めくくったのだった。
(記事提供=OSEN)
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