小芝風花と佐藤健がW主演を務めるAmazon Originalの日本ドラマ『私の夫と結婚して』が、6月27日よりPrime Videoにて世界独占配信中だ。
【写真】小芝風花、佐藤健W主演の『私の夫と結婚して』1・2話の場面写真解禁!
『私の夫と結婚して』といえば、昨年Prime Videoで世界配信され話題を呼んだ、パク・ミニョン主演の韓国ドラマが記憶に新しい。
韓国での放送時には、最終回の視聴率が12%を記録するなど大ヒットを遂げ、Prime VideoでもグローバルデイリーTVショーランキングにおいて韓国ドラマ初の1位を獲得した。
その国境を越えた圧倒的な人気を受け、日本オリジナル版の制作が決定。
韓国の大手エンターテインメント企業CJ ENMと、数々の国際的ヒット作を手がけてきた韓国屈指の制作会社スタジオドラゴンがタッグを組み、日韓共同プロジェクトが実現した。
周囲を優先し“脇役”として生きてきた末に命を落としてしまう主人公・神戸美紗を演じるのは、大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』で注目を集めた実力派女優・小芝風花。夏の気配が感じられた5月、都内某所で小芝風花が「韓ドラ・時代劇.com」の独占インタビューに応じてくれた。
日本版『私の夫と結婚して』はどう仕上がっているのか。その魅力を、小芝自身の言葉でたっぷりと語ってもらった。
◇
――『私の夫と結婚して』に出演が決まった際、どういうお気持ちでしたか?
「まず最初に、韓国の監督さんやプロデューサーさんとお仕事ができるという点に、とても魅力を感じました。これまでそういった環境でお仕事したことがなかったので、新しい学びがあるのではないかと思ったんです。韓国版ドラマも拝見しましたが、非常に人気だったこともあって、そのリメイクに関わることに少しプレッシャーというか、緊張する部分もありましたね」
――やはり韓国版もご覧になったんですね。
「はい。コメディ要素に加え、シリアスな展開や女性同士の激しいバトルもあって、最後まで目が離せない、本当に面白い作品だと感じました。一方で、日本版ではストーリー展開が韓国版と少し異なっています。韓国版の魅力的な要素を取り入れながらも、オリジナリティが加えられていて、日本版ならではの視点で楽しんでいただけるのではないかと思っています」
――日本の視聴者に寄り添うための工夫が気になります。
「日本版では、共感しやすいヒロイン像を意識しました。たとえば、麗奈と美沙のシーンで、韓国版では髪を掴み合うような激しいやり取りがあるんですが、日本の女性が同じ状況になった場合、おそらくそこまでにはならないと思ったんです。物語の軸が復讐である以上、美沙も次第に強くはなっていくのですが、それでもやはり亘さんが『守ってあげたい』と思えるような女性像は崩したくなくて。だからこそ、優しさが抜けきらないことを意識して演じました。そのバランスがとても難しかったです」
――韓国版のヒロインを演じたパク・ミニョンさんからの影響はありませんでしたか?
「ビジュアルのタイプがまったく違うので(笑)、真似することはできませんが、2回目の人生で髪を切って変身する場面の華やかさや、着飾って同窓会に姿を表すシーンでは、彼女の雰囲気を少し思い出しながら演じていました。ただ、日本版ならではの空気感や役柄を大切にしたかったので、あまり意識しすぎないようにしていましたね」
――早く小芝さんの「ヒロイン像」が観たくなります。美沙の役作りにおいて、一番こだわったと言える部分はなんでしょうか?
「攻撃の仕方ですね(笑)。麗奈のようにあからさまに意地悪になってはいけないけれど、でも攻撃はしなければならない。だから、わざと煽るような言い方をしたり、嫌味を言ったりすることはあります。ただ、麗奈とはまた違って、『意図してやってるんだ』と感じさせるような、違和感を持たせるシーンもあれば、嫌味100パーセントでマウントを取るようなシーンもあったりします。そういったニュアンスは毎回監督と相談しました。『ここは純粋なふりをしつつ』『ここは嫌味全開で』といった具合に、さまざまな“攻撃の仕方”をすり合わせながら作っていきました」
――監督の話がチラッと出ましたが、アン・ギルホ監督はどんな感じでしたか?
「日本語をすごく勉強してくださっていて、たとえば『もうちょっとゆっくり~』といった簡単な指示は日本語で伝えてくれることもありました。また、感情的なシーンや泣く場面で良い演技ができたときには、全力でグーのポーズをして褒めてくれるんです(笑)。わざわざ私のそばまで来て積極的に励ましてくださる姿に、すごく救われていました。本当にチャーミングというか、歩み寄ってくれたことがとても嬉しかったですね」
――素敵な監督だったんですね。
「そうなんです。もちろん、言葉の壁はありましたし、監督が日本語のセリフをすべて理解されていたわけではないかもしれません。でも、感情面でしっかりお芝居を見てくださっていたので、『オッケー』をもらったら大きな安心感がありました」
――演出において「日韓の違い」を感じることはありましたか?
「日本の現場では『欲しい画』『撮りたい画』が明確にあって、画作りを重視する傾向が強いのですが、アン・ギルホ監督は、俳優がいかに綺麗に、そしてカッコよく映るかを本当に細かく考えてくださる方でした。撮影中に『もう少しこうしたほうが綺麗に映るから、意識してみて』といったアドバイスをいただいたのは、今回が初めてです。それがすごく新鮮でしたね。また、感情の起伏に関しても、韓国と日本では常識や感覚に少し違いがあると感じました。たとえば、浮気現場を目撃したときの反応について、日本の人はどちらかというと引いてしまうと思うんです。でも、監督からはもっと感情を露わにするようにという指示があって。これってまさに感情表現の文化差なんだと思って、とても新鮮でした」
――共演された佐藤健さんとも、演技について話し合ったりしたのでしょうか?
「美沙が2回目の人生でいきなり強くなりすぎてしまうと、『じゃあ1回目はなぜできなかったの?』という違和感につながってしまいますよね。でも、視聴者にはスカッとしてもらいたいし、爽快感のある場面も絶対に欲しい…そのバランスを取るのが本当に難しくて、『これで大丈夫ですかね…』と、よく悩みを聞いていただいていました。たとえば、冒頭の浮気現場を発見するシーンで美沙はどうあるべきかを相談したときには、『ここは完全に美沙の負けだから、敵わないぐらい負けてたほうがいいんじゃない?』といったアドバイスをいただいたこともありました。それから私が『前に撮ったあのシーン、ちょっとやりすぎてなかったですかね…』と言い出して、ちょっとした反省会になることも(笑)。でも、佐藤さんが『アン監督はちゃんとお芝居を見てくれる人だから、監督のオッケーを信じて大丈夫だと思うよ』と言ってくださって、とても心強かったです」
――和気あいあいとした雰囲気が目に浮かぶようです。撮影中、特に印象的だった出来事があれば教えてください。
「遊園地で撮るシーンがあったんですけど、そこが動物園も併設されている遊園地だったんです。撮影現場から一番近くにサーバルキャットがいて、待ち時間にずっと見ていました。撮影の準備が整って呼ばれたとき、『サーバルキャットで待たせるわけには行かない!33』と思って猛ダッシュで戻ったら、盛大に転んで血まみれになっちゃって(笑)。両膝に青あざがすごくて、余計にお待たせしてしまいました。この歳で転ぶなんて、ちょっと恥ずかしかったです」
――災難でしたね。美沙みたいに過去に戻れたら、回避できたはず…。もし過去に戻れるとしたら、小芝さんが「ここからやり直したい」と思うタイミングはいつですか?
「幼稚園ぐらいから…?」
――ほぼリセットじゃないですか(笑)。
「もし今の私が子供の私に会えたら、『英語を勉強しなさい』と言いたいです(笑)。実は英語に対する苦手意識がすごく強くて、学生時代にもまったく勉強していなかったツケが今すごく回ってきてるみたいで。今回、せめて英語が話せたら監督ともっとコミュニケーションが取れたのに、と悔しい思いをしました。現場では『チルムンイッソヨ(質問あります)』とか『スゴハショッスムニダ(お疲れ様でした)』といった、簡単な韓国語のご挨拶だけ覚えて言ってたので」
――なるほど。今度は言語以外で、この作品から得られた気づきや学びがあるとすれば…?
「後悔しないように、自分の意思で、自分の手で、人生を切り開いていける女性でありたいと改めて思いました。私が思う美沙の一番素敵なところは、人生を自分の手でちゃんと切り開いていこうとするところ。誰かに頼ったら1回目の人生と変わらないことが分かっていて、自分の意思と力で変えていこうとするのが強いなと思って。だから私も、取捨選択や大事にしたいものに関して、しっかりと自分で守っていけるようになりたいです」
――最後に、『私の夫と結婚して』での小芝さんの演技を楽しみにしているファンへメッセージをお願いします。
「『私の夫と結婚して』日本版は、韓国版が好きな方にも楽しんでいただけるように、日本ならではの工夫もあったり、若干流れが変わったりする部分もあります。なので、また別物として、日本ならではの作品として味わっていただけたら嬉しいです。これまで搾取されるだけだった美沙がどういうふうに復讐し、どのように成長していくのか。その過程をぜひ楽しみにご覧くださいね!」
(取材・文=李 ハナ)
6月27日より Prime Videにて独占配信中。韓国の大ヒットドラマ『私の夫と結婚して』と同名のNAVERウェブ小説を日本キャストでオリジナルドラマとして実写化。37歳で夫(横山裕)と親友(白石聖)に裏切られ、不幸な死を迎えた神戸美紗(小芝風花)が、10年前に戻って夫と親友への復讐を決意する。
■【関連】TWICE・JIHYOの主題歌も話題 『私の夫と結婚して』がPrime Videoで6月27日より世界独占配信
前へ
次へ