韓国で年長者と食事をするときには、相応の礼儀をわきまえることが大切だ。それが、儒教の倫理観が強く残る韓国で重要なことなのだ。特に重んじられているのが「長幼の序」。これを守ることが「暗黙の了解」になっている。
【関連】【韓国ドラマのカルチャー拝見!】「長幼の序」が厳しい韓国では両親に敬語を使う
そこで、年長者と会食をするときに心掛けることを紹介しよう。
まず、会席の場では、年長者が箸をつけるまで年下は自分から先に食べてはいけない。年下はたとえ料理の準備が整っていても、年長者が着席して箸をつけるまでは、席にいて「待機モード」に入っておくのだ。
そして、年長者が食事の前に何かを語り始めたとき、年下は素直に聞いていて、話が終わって年長者が箸をつけてから、他の人も食べ始めるようにする。
もちろん、年長者の前でタバコを吸うことは無礼なことなので、絶対に禁煙を徹底させよう。また、宴席では酒がつきものだが、年長者と一緒に酒を飲むときは、年下は年長者に対して横向きになって酒を飲むようにする。そういうシーンはドラマでもよく見るだろう。
形のうえでは、「年長者にお酒を勧められたので断ることができず飲んでいるのであって、決して酒を楽しんでいるのではありません」という意思表示なのである。
さらに、韓国人に自宅に招待されたときの心がけも解説しておこう。韓国には「膳の脚が折れるほど料理を準備する」ということわざがある。客を非常に大事にするという「もてなしの心」を示した言葉だ。
たとえば、客の器が空いた状態で食事を終えた場合、「料理が足りていなかった」ことを意味し、招待した側のもてなしが不十分であったと見なされてしまう。そうならないためにも、もてなす側は空いている器を見ると、すかさずお代わりを用意する。出された料理を食べ尽くすのも大変なのだ。
日本では「残したら申し訳ない」と思うのが普通だが、韓国では残さなければならない。食事に招待されてお腹がいっぱいになったら、その合図として、器に盛られた料理を少し残すほうがいい。いくら口で「もうお腹いっぱいです」と告げても器が空になっていたら、きっとお代わりをさせられるに違いない。
文・写真=康 熙奉(カン・ヒボン)
■【関連】18歳年下の日本人女性に“一目惚れ”。俳優シム・ヒョンタクの結婚相手が「超美人」と話題
前へ
次へ