韓国ホラー歴代興収2位である映画『コンジアム』を手がけた、チョン・ボムシク監督の最新作『ニューノーマル』。8月16日より公開中の同作は、韓国・ソウルを舞台に、6人の男女の奇妙な運命がオムニバス形式で描かれる。
最初のエピソードに登場するのは、本作が7年ぶりの映画出演となったチェ・ジウだ。
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女性ばかりを狙った連続殺人事件が世間を賑わす中、マンションで1人暮らしをするヒョンジョン(チェ・ジウ)の元に、火災報知機の点検をしに来たという怪しい中年男が訪ねるのだが…。
8月16日に行われた『ニューノーマル』の初日記念プレミアムイベントに登壇するため、来日したチェ・ジウ。分刻みのスケジュールで動いていた彼女が、合間を縫ってインタビューに応じてくれた。
――『ニューノーマル』はチェ・ジウさんにとって久しぶりのスクリーン復帰作です。撮影に入る前と後のお気持ちはどうでしたか?
「撮影に入る前までは、自分が上手くできるだろうか、どう表現したらいいかという、少しの不安と心配がありました。ただ、監督とたっぷり話し合いましたし、撮影現場は相手役と2人きりになる狭い空間だったので、よりリアルで気持ちいい緊張感が漂っていたと思います。撮影が終わってからは、新しい挑戦をして良かったという爽快感がありました。また、観客がどう受け止めるかが気になってワクワクしてきましたね。良い反応があれば嬉しいです」
――劇中では普段のイメージからは想像もつかないような役割ですが、最初にオファーをもらった時の感想を教えてください。
「シナリオを読んでみたら、スリラーだからといって無闇に人をビックリさせるような話ではなく、ユニークさが感じとれました。誰がどのキャラクターを演じるか気になっていましたが、まさか私がヒョンジョン役を演じることになるとは、思いもしませんでしたね(笑)。今まで私が演じてきたキャラクターとはあまりにもかけ離れていたので、最初は『自信がありません』と監督にお伝えしたんです。ただ、シナリオを書くときから私を念頭において書いたし、私の新しい姿を引き出したいという監督の意向をお聞きしたので、それなら監督を信じて挑戦してみようと思うようになりました」
――撮影前、チョン・ボムシク監督からは作品に対する詳しい説明がなかったと聞きましたが。
「そうなんです。この作品は本読みもありませんでしたし、劇中ではヒョンジョンという人物の背景も詳しく描かれていません。どんな俳優たちが出演するのかは知っていても、誰がどの役なのかは聞かされていなくて、他の撮影現場も非公開でした。この映画の最大のテーマは孤立なので、撮影もそんな雰囲気で行われたんじゃないかなと思います。完成された映画を見て、なるほど、こんなふうに人物たちがつながるんだ、とようやく全体図が理解できて、そこは面白かったですね。ヒョンジョンの役作りにおいては、監督から『M』(1931年)という昔の映画を観るように言われ、映画を観て監督の考えを理解しました。多分ヒョンジョンはこんな幼少時代を過ごし、こんな事件を経験して、今の彼女になったなんじゃないか、などと監督と2人で想像しながら演技しましたね」
――作品で描かれているのは日常に潜んだ死の恐怖だと思います。チェ・ジウさんは日常で恐怖を感じることがあるのでしょうか。
「映画の最初に出てくるニュースは、実際に韓国で起きた事件を編集して監督が入れたものでした。それを見てもお分かりだと思いますが、最近はニュースを見るのが怖いくらい、決して誰にも起きてはならない、とんでもない事件が多いです。そういう事件に接するたびに私たちはこんな世の中で生きているんだなと悲しくなるけれど、それでも生きていかなければならないので、いつも幸せを感じながら過ごそうと頑張っています。最近の私の大きな幸せは、やはり子供が成長する姿を見ることですね。また、今のように日本で映画が公開されるのをワクワクしながら待っている瞬間も、とても幸せです」
――映画のエピローグでは、登場人物たちが1人でご飯を食べる姿が出てきます。チェ・ジウさんはひとりご飯をすることはありますか。
「1人で家にいることは好きですが、1人でご飯を食べることはあまり好きではありません。仕事の時もスタッフと一緒に食べるのが好きだし、家にいると家族と一緒に食べるようにしていますね」
――元々『ニューノーマル』のようなホラーやスリラー映画はお好きでしたか。
「実は私、ホラー映画が苦手なんです。特に、何かが急に出てきてびっくりさせる演出が怖すぎて、心臓が持たないんですよね。だからチョン監督の『コンジアム』も最後まで見られませんでした(笑)。私はヒーローものやロマンス、コメディ、子供用のアニメーションが好きです。ホラー以外はすべて好きって感じですね(笑)」
ずっといつもの素敵な笑顔を浮かべていたチェ・ジウは、女優として新たな一歩を踏み出したことへの高揚感もにじませていた。
「作品選びについては常にオープンマインド」と明かした彼女だけに、今後もチェ・ジウの新しい顔が見られるという期待感に胸を躍らせざるを得なかった。
チェ・ジウが出演した『ニューノーマル』は、全国公開中。
監督・脚本:チョン・ボムシク『コンジアム』
出演:チェ・ジウ「冬のソナタ」、イ・ユミ「イカゲーム」、チェ・ミンホ(SHINee)「ザ・ファビュラス」、ピョ・ジフン(Block B)「ホテル・デルーナ」、ハ・ダイン、チョン・ドンウォン
2023年/韓国/韓国語5.1ch/113分
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