映画『神弓』は韓国で700万人を超える観客動員数を記録した、2011年の韓国映画・年間ナンバーワンヒットとなった歴史エンターテインメント作品だ。
監督は、韓国歴代動員ランキングで1位を記録した『バトルオーシャン/海上決戦』などのキム・ハンミン。主演には人気俳優パク・ヘイル。また、今では堂々のトップスターとなったリュ・スンリョン、イ・ギョンヨン、ムン・チェウォンらがその脇を固めている。
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映画の舞台は、清による朝鮮侵攻「丙子胡乱」が起こった1636年。『神弓』は、歴史的な事実を題材にしながらも、「国対国の戦」ではなく「民の戦い」に、そして愛国よりも兄妹愛にスポットを当てている点が特徴だ。
パク・ヘイル扮する主人公ナミは、父の遺言を胸に命をかけて、妹のためだけに孤軍奮闘する。最後にテロップで説明されるが、当時の朝鮮王朝は最終的に清に降状し、捕虜の救出にも尽力しなかった。その事実を知って本作を観ると、ナミの戦いはより一層カタルシスを増す。
また、タイトル通り、弓のアクションシーンは必見だ。肉弾戦や剣術、銃撃にはない独特な見ごたえと緊張感を存分に味わうことができる。ナミの弓矢に込められ想いは壮絶。観客の心を強く射止める作品であることは間違いない。
『神弓』は興行面のみならず、映画としての作品性も高く評価されており、第48回大鐘映画賞にて、主演男優賞、新人女優賞をはじめ数々の賞を受賞している。深い人間ドラマとともに、一級のエンターテインメントに仕上がっている作品が『神弓』なのだ。
逆賊として捕えられた父を目の前で処刑された幼き兄妹ナミとジャイン。家宝の神弓を託されたナミはジャインとともに父の友人に匿われる。
時は経ち、朝鮮に清が侵攻した1636年。弓の名手に成長したナミは、ムソンの息子ソグンと妹のジャインの婚姻の日を迎えていた。
妹の幸せを願いつつもナミは結婚祝いの靴を残し、その場を去る。その道中で清の大軍を目にしたナミは村へと戻るが、時すでに遅かった。連れ去られた妹を助けるため、ナミは神弓を手に救出へと向かうのだが……。
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