パク・ボゴムが主演を務めた韓国時代劇『雲が描いた月明り』。このドラマで、イ・ヨンのライバルとして登場するユンソンを演じたのがジニョンである。
ジニョンが『雲が描いた月明り』で扮したキム・ユンソンは、名門一族のエリート官僚という役柄だった。
朝鮮王朝の両班(ヤンバン)の御曹司というのは、かならず科挙(エリートを登用するための官僚採用試験)に合格しなければいけないので、幼い頃から儒教の素養を徹底的に仕込まれる。なぜなら、科挙の試験問題は科挙の知識を問うものばかりだからだ。
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それゆえ、御曹司に扮するとなれば、何よりも知性があふれる演技をしなければならない。そうでなければ、役柄が嘘っぽくなってしまう。
その点で、ジニョンの演技は申し分がなかった。彼は「いかにも朝鮮王朝時代の御曹司」という雰囲気を自然体でかもしだしていた。
実際、ジニョンは2018年1月21日に東京で行なった記者会見で、ユンソンという役を演じた感想をこう述べた。
「演じるにあたって事前にしっかりと勉強しました。時代劇という自分が生きたことのない時代を演じますし、昔の言葉づかいや服装に不慣れな部分もあったので多少苦労もしました」
さらに、ジニョンはこう続けた。
「キャラクターに入り込むという点では、その人がどういう人物かを理解して、監督や共演者と話し合いながらスムーズにできたのではないかと思います」
ジニョンがユンソンに完璧に成りきれたのは、彼が好きなキャラクターを演じたからではないだろうか。
この記者会見で、ジニョンはユンソンについてこんなことを語っている。
「ユンソンは、行動の一つ一つが男らしくて、相手への思いやりも感じられたので、女性が好きなキャラクターだろうなあと思いました」
この言葉の中に、ジニョンがユンソンに込めた思いがすべて説明されている。しかし、ユンソンは主役ではなかった。パク・ボゴムが演じたイ・ヨンとの関係では、どうしても分が悪くなる。そのあたりをジニョンもよく考え、パク・ボゴムと相談しながら演じたという。
そのパク・ボゴムについてはこう語っている。
「(パク・ボゴムは)もともと演技がうまいので、学ぶべきことがたくさんありました。お互いにいろいろなことを話し合い、相手の考え方もよくわかるようになりました」
こうした言葉を聞いていると、撮影現場の雰囲気が察せられる。
ジニョンはパク・ボゴムと綿密に打ち合わせをしながら、イ・ヨンに対するユンソンの立場を鮮明に演じていったのである。
ジニョンは俳優として実に勘がいい。しかも、秀麗であった。
パク・ボゴムが演じるイ・ヨンのライバルという関係で登場したユンソンを演じたジニョン。ドラマの中で見せる彼とパク・ボゴムの共演は本当に見応えがあった。
文=大地 康
♢ジニョン プロフィール
生年月日:1991年11月18日生まれ
身長:178cm
星座:さそり座
出身校:清州大学校演劇映画学科
デビュー:2011年<B1A4>『OK』
☆主な出演作
『千番目の男』(2012年、ドラマ)
『優雅な女』(2013年、ドラマ)
『恋は七転び八起き』(2015年、ドラマ)
『メンドロントット』(2015年、ドラマ)
『恋愛探偵シャーロックK』(2015年、ドラマ)
『雲が描いた月明り』(2016年、ドラマ)
『私たちが季節なら』(2017年、ドラマ)
『風磬』(2018年、ドラマ)
『初恋は初めてなので』(2019年、ドラマ)
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