韓流時代劇の魅力は、演じる役者たちの確かな演技力にある。リアルで感情が込められたその演技力に魅了されたファンも多いだろう。
そんな名優たちは韓流時代劇をどのように考えているのだろうか。
韓流時代劇の名優たちの過去のインタビューを通じて、韓流時代劇の魅力を考察する。第2回目は『ホジュン』『朱蒙』そしと『オクニョ』などに出演したチョン・グァンリョルだ。
彼の名を一躍有名にしたのが、1999年から2000年にかけて韓国で放映された『ホジュン~宮廷医官への道』。16世紀から17世紀にかけて実在した朝鮮王朝時代の名医の一代記を描いたサクセスストーリーで、主人公ホジュンを演じたチョン・グァンリョルは、温かさあふれる演技で一躍、人気者になった。
日本で絶大な人気を誇った『朱蒙(チュモン)』でその存在を知った者も多いだろう。
チョン・グァンリョルが演じたのは、プヨの国王でチュモンの育ての親クムワ王。絶対的な権力者でありながら愛に苦悩する姿を熱演した。
最近ではNHK総合テレビでも放映された『オクニョ~運命の女(ひと)』だろうか。地下牢の謎の囚人でありながら、主人公オクニョを鍛え導くパク・テス役を演じて、存在感を放った。
このように韓ドラ時代劇の世界で多彩なキャラクターに挑んできたチョン・グァンリョルは言っている。
「いろんなキャラクターに挑むことは、ある意味、俳優なら誰もが抱く欲なのです。私が時代劇で演じてきたキャラに共通点は少なく、とても対照的ですが、そのすべてのキャラクターに魂を込めてきました」
彼がキャラクターを選ぶ際の基準は、“人物の再構築”だという。
「時代劇は実在した人物を描くことが多く、彼らの人生に対する時代的かつ内面的な考察はかならず不可欠です。それを元に、その人物が持つ既存のイメージを大きく逸脱せずに、再解釈を加えてこそ、キャラクターは生きてくる。考察と再解釈。時代劇ではこれが重要です」
そう語ったチョン・グァンリョルが考える韓ドラ時代劇の魅力とは何か。
「時代劇は、その時代を反映させたトーンや言い回しでセリフを言わなければなないので、現代劇よりもセリフを覚えるのがむずかしいですね。
ただ、時代劇の場合、我々の国の過去の歴史を振り返りつつ、自分が任された人物の新しいイメージを構築できるという、楽しみや面白みがあります。
誰もが知っている偉人たちの新しいイメージを構築できるわけです。そこが現代劇にはない魅力ではないでしょうか」
◇チョン・グァンリョル プロフィール
1960年2月11日生まれ。80年にTBCタレント公募で芸能界入り。99年に『ホジュンー宮廷医官の道』の主役に大抜擢。以降、『朱蒙』『王と私』『ペク・ドンス』『火の神ジョンイ』『オクニョ~運命の女』『テバク~運命の瞬間~』など、多数の韓ドラ時代劇に出演。2020年の今年は『風と雲と雨』(TV朝鮮)という韓ドラ時代劇にも出演している。
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